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事業性評価融資とAI融資 ~2018年は日本のAI融資元年!

時間・行動・お金をコントロールする術を、ブログでお伝えしています。税理士で逆算手帳・認定シニア講師のきむら あきらこ(@kimutax)です。

「AI融資」ご存知ですか?「ヒト」ではなく、「AI」(artificial intelligence:人工知能)が審査をする融資です。

きむら

2018年はAI融資元年。企業の資金調達へどのような影響をもたらすのか、まとめてみました。

事業性評価融資とは

事業性評価融資とは、現時点での財務データや担保・保証にとらわれず、企業訪問や経営相談等を通じて情報を収集し、事業の内容や成長可能性などを適切に評価する手法のことをいいます。

従来、金融機関は、担保や連帯保証などを重視して融資の審査をする傾向がありましたが、今後は、企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し、融資だけでなく、助言なども行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められています。

現在、地域金融機関においては主流となりつつある手法だといえるでしょう。

AI融資とは

その一方でAI融資という手法が登場しています。「ヒト」が融資の審査をするのではなく、「AI」(artificial intelligence:人工知能)がその役割を担います

このAIを用いた融資手法ですが、海外では既に盛んに実施されており、日本は遅れている分野といわれています。

一例ですが、中国のネット銀行「網商銀行」が実施しているAI融資(網商貸)には驚かされます。スマートフォンのアプリから融資申請を提出すると、即座にコンピューターで融資判断が下されます。そして、数分以内に送金されるという仕組みです。

融資申請の記入に「約3分」、提出すると「1秒」で融資可否が分かります。審査にたずさわる人間は「ゼロ」。つまりAIによる審査のみで判断をするのです!

日本におけるAI融資の動向

日本においては、みずほフィナンシャルグループが、人工知能を使った企業の返済能力を自動的に審査する中小企業向け新型融資を2018年中に開始するようです。

この手法は「スコア・レンディング」と呼ばれています。仕入れや販売先との日々のお金のやり取りのデータを分析し、借金返済に必要なお金を生み出す能力を、過去に蓄積したデータを基に算出します。よって、分析に人手がかからず低コストのため、低利融資も可能になるというものです。

なお、みずほFGは、傘下のみずほ銀行とソフトバンクの合弁会社で既に個人向けスコア・レンディングを開始しています。

その他、多くの地方銀行がこのAI融資への参入を検討しており、この傾向はさらに推進されると思われます。

ノンバンク等もAI融資に参入か?!

また、AI融資への民間企業(ノンバンク等)の参入も増えてくるかもしれません。オリックスと弥生会計は、共同で設立した「アルトア」を通じて、会計ビッグデータとAIを活用した融資サービスを開始しています。

アルトアの与信モデルは、動的な連続データである「会計ソフトの仕訳データ」を利用することで、精度の高いデータ分析を瞬時に実施できるとのことです。

また、注目すべき点は、千葉銀行、福岡銀行、山口フィナンシャルグループ、横浜銀行と業務提携契約を締結しており、アルトアの与信モデルの活用も視野に入れているようです。

AIと事業性評価は一体化?すみ分け?

今後、「事業性評価融資」が主流となるといわれている一方で、「AI融資」という手法まで登場しています。近い将来、AI融資は事業性評価を一気に飛び越えて主流になるのでしょうか?

今後の方向性についてですが、次の2つが考えられます。

1つは「すみ分け(共存)」です。数百万円から1千万円くらいまでの経常運転資金などについては、AI融資で瞬時に結論を出していく。大型融資においては、従来のスタンスで事業性評価をしていく。

2つ目は「一体化」です。ハイブリッド、と表現したら大袈裟かもしれませんが、事業性評価の審査過程でAIが担える部分はAIに任せる、というイメージです。

つぶやき

きむら

今後、フィンテック(※)やAI等のさらなる進化によって、様々な手法が生まれてくると思われます。目が離せませんね!

※フィンテック(Fintech)…「ファイナンス(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語。「ICTを駆使した革新的な金融商品・サービス」といった意味。