時間・行動をコントロールする術を、ブログでお伝えしています。税理士で逆算手帳・認定講師のきむら あきらこ(@k_tax)です。
朝、鏡に向かって髪を梳かしていると、たまに思い出すエピソードがあります。
きむら
特に忙しい時期によく思い出す、苦くも懐かしく、ちょっと温かな気持ちになる記憶です。
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ある日、社長に一喝された
私は、2000年に独立開業しました。ついこの前のように思っていたけれど、もう19年も前になるんですね。
その開業直後から顧問を依頼してくれていた、とある会社の社長との思い出です。
この方が、もう、とってもカッコイイ女性なんですよ。年の頃は、当時50代後半。キリっとしたショートカットで、いつもオシャレ。
そのオシャレさが、ブランド物を着てるとか、派手なものを着ているとかのオシャレさじゃないんです。ほら、学生の頃、同じ制服を着ているのに、なぜか着こなしがちょっと周囲とは違っていて、カッコイイ人っていませんでした?あんな感じのさり気ないカッコ良さです。
有名人に例えると野際陽子さんのような方でした。外見だけでなくしゃべり方も野際さん。ハキハキ明朗な声で、裏表なくものごとを仰います。
月次にお伺いすると、いつも近所の美味しいお店に連れてってくれる、姉貴のような方でした。
その社長に、私はある日、一喝されたのです。
■ スポンサー広告 ■怒られて、当時は憤った私
会社の月次にお伺いして、社長の隣に腰かけた直後。社長は私の姿を見てズバっと一言。
「あなた。髪を整えるくらいの余裕はお持ちなさい」
こう言われた私は、どう反応して良いかわからず、半笑いを浮かべるので精いっぱいでした。
そして、当時はとても傷つきました。いや、傷ついたというより、むしろ「憤りを感じた」といった方が近いかな。
『仕事のことで怒られるならわかる。でも、どうして、こんな外見のことで言われなくちゃいけないの…』と。
確かにその頃は、月に1、2回休むことができればいい方で、夜は終電で家に帰り、朝は始発で事務所に行くような毎日でした。
だから、髪を梳かすゆとりもないのに!
一生懸命に頑張っている私に、何てことを言うの?!
その日は終始、ちょっと大人げない態度でその社長に接した記憶があります。
社長が伝えたかったことは…
そして時は巡り19年後。私、今ではその社長が何を言いたかったのか、すごくわかるんです。
「仕事で人と会うときは、きちっと身だしなみを整えないと足元を見られるわよ」
そういう意味もあるでしょう。
ステキな社長だったから
「実力だけでなく、見た目も大事よ。経営者たるもの、外見にも気をつけなきゃ」
という、思いもあったかもしれません。
だけど、社長が一番言いたかったのは、次のようなことじゃないかと思うんです。
「休みも取らず、ろくに寝ず、髪を梳かすゆとりもない。そんな余裕のない人には、危なっかしくて仕事を任せられないわ」
そして、私の「頑張って髪を振り乱して仕事しているアピール」が鼻についたのも、たしなめたくなった一因かもしれません。
■ スポンサー広告 ■外見はセルフコントロールのバロメーター
この春から社会人になる方は、諸先輩方から「ビジネスの世界では身だしなみも大事だよ」と、言われていることでしょう。
仕事の上で第一印象(外見)が重要なのは、相手への敬意を表したり、ビジネスの上で必要な要素の1つである「自分をどう見せたいか」に関わるからです。
でも何よりも、私はこのエピソードから、外見とは、「タイムマネジメントやセルフコントロールの出来・不出来を表すもの」だと感じています。
つまり、身だしなみが整のっている・いないは、物理的・心理的に余裕があるかどうかの、バロメーターです。
もしも自分に髪を梳かす余裕が無くなったら…
身なりを整える余裕が無くなったら…
その時は、自分の仕事の仕方や時間の使い方を、是非、見直してみてください。
そして、余裕がない原因は自分にあるのか職場にあるのかも、
冷静に見極めるように!
まとめ
この話を友人にしたところ、
「今ならわかる。って言うこなれた気持ちも、
なぜそんな事言われなきゃならないのって思う若いエネルギーも
なんか、どっちも愛おしいですね」
と、言われました。
そうそう。その当時「カチン」ときたからこそ、こうやって今でも心に残っているのですから…。感情の動きに敏感になることって、とても大事。
その後、この会社とは税理士としての関与は無くなりましたが、今でも社長と会う機会はあるので、いつの日か「あの時、『髪を整えるくらいの余裕はお持ちなさい』と言われたことは、とても有難かった」ということは、伝えたいですね。