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遺産分割で失敗する人が知らない!財産の分け方「4つの選択肢」

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こちらの記事は、「相続した財産をどう分ければいいのか分からない」「これから遺産分割の話し合いを始める」「不動産があって分け方に悩んでいる」「相続人が複数いてモヤモヤしている」とお考えの方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ( YouTube)です。

ご家族が亡くなったあと、遺された財産をどう分けるかって、正直とても悩ましいですよね。

遺された家族で話し合いをしなければいけないけれど、何が正解なのか分からない。

法定相続分どおりに分ければいいのか、それとも話し合いで自由に決めていいのか、迷う方も多いと思います。

実は、遺産の分け方は、単純に財産を物理的に分けるだけではなく、大きく分けて4つの選択肢があります。

このバリエーションを知らないまま話し合いを始めてしまうと、選択肢が少ない状態で決めることになり、あとから「そんな方法があったの」と後悔することも少なくありません。

この記事では、遺産分割の基本と4つの分け方を、具体的な数字を使ってわかりやすく解説します。

分け方を知るだけで、遺産分割の話し合いがぐっとラクになりますよ。

遺産分割とは?まずは基本を整理しよう

遺産分割とは、亡くなった方の財産を、相続人の間でどう分けるかを決めることです。

相続が発生すると、相続人はみな財産を受け取る立場になります。

そして何も決めないままだと、財産は相続人全員の共有の状態になります。

ここでよく出てくるのが「法定相続分」という言葉ですが、これは法律上の目安にすぎません

必ずしもその割合どおりに、ぴったり分けなければいけないわけではありません。

実際には、相続人全員で話し合って、誰が・どの財産を・どれくらい受け取るかを決めます。

この話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。

なお、遺言書がある場合は、基本的にはその内容に従って分けることになります。

まずは、法定相続分はあくまで目安であり、話し合いで柔軟に決められるということを押さえておきましょう。

財産の分け方は「4つの選択肢」がある

今日いちばんお伝えしたいのは、遺産の分け方にはいくつかの方法があるということです。

分け方を知らないまま話し合いを始めてしまうと

「とりあえず均等に」

「とりあえず共有で」

となりがちで、あとから困ってしまうケースも少なくありません。

分け方を知っているかどうかで、揉めやすさも、その後の財産の使いやすさも、実は大きく変わってきます。

遺産分割協議で財産を分ける方法は、次の4つに整理できます。

①現物分割(そのまま分ける)
②代償分割(お金で調整する)
③換価分割(売って分ける)
④共有分割(共有名義にする)

ここからは、それぞれの分け方の中身と、知っておきたい注意点を順番に見ていきましょう。

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現物分割:財産をそのままの形で分ける

まず一つ目は「現物分割」です。

これは、財産そのものを、それぞれの相続人に振り分ける分け方で、いちばんシンプルで基本となる方法です。

現物分割の具体例

たとえば、預貯金は長男へ、不動産は妻へ、株式は次男へ、というように、財産をそのままの形で分けます。

現金や預貯金のように分けやすいものは、この方法がとてもスムーズです。

そのため、実務でもまず検討されることが多い、基本の分け方といえます。

もう少し具体的に見てみましょう。

たとえば、預貯金が1000万円、不動産はご自宅のみという場合です。

預貯金を兄弟で500万円ずつに分け、自宅はそこに住んでいる妻が相続する。これが現物分割の典型例です。

現物分割の注意点

ただし、財産の価値に大きな差があると、不公平感が出やすいという面があります。

1000万円の家を姉に、100万円の車を妹に、というような場合は、納得がいかないという話になりやすいです。

また、不動産を物理的に分けるには、土地を分筆したり、建物を区分したりする手続きが必要になります。

まずは、今ある財産をそのままの形で分けられないかを考えてみましょう。

もし不公平感が出そうなど不都合がある場合は、このあとの分け方を検討していきます。

代償分割:公平をお金で整える

二つ目の分け方は「代償分割」です。

これは、特定の相続人が財産を取得する代わりに、ほかの相続人にお金を支払って調整する分け方で、公平をお金で整える方法です。

代償分割の具体例

たとえば、自宅に住んでいる配偶者が、そのまま家を相続したい場合。

家の価値が高く、ほかの遺産が少なく、相続人同士のバランスが取れないときに、差額を現金で支払うことで調整します。

現物のまま財産を残しつつ、取り分のバランスを取れるのが特徴です。

具体例で見てみましょう。

自宅の価値が3000万円、相続人が配偶者と子ども2人の場合。

配偶者が自宅を取得し、長男と次男にそれぞれ750万円ずつの代償金を支払うことで、全体のバランスを整える。これが代償分割の典型例です。

代償分割の注意点

この方法は、財産を取得する人に、代償金を支払う資力があることが前提になります。

また、いくら支払うかを決めるために、財産の評価をどうするかで意見が分かれることもあります。

金額の決め方は、あとあと揉めないように慎重に考える必要があります。

不動産など、分割が難しい財産を特定の人が単独で引き継ぎたい場合には、公平を保つ方法として有効です。

換価分割:売って現金にして分ける

三つ目は「換価分割」です。

これは、財産を売却して現金に換え、そのお金を相続人で分ける方法で、つまり「売ってから分ける」方法です。

換価分割の具体例

現物のままでは分けにくい。代償金を支払うだけの余裕もない。そのような場合に選ばれるのが、この方法です。

財産を売却して現金にすれば、あとは割合に応じて分けるだけなので、バランスは取りやすくなります。

たとえば、相続財産が自宅不動産のみで、相続人が複数いる場合。誰も住む予定がなく、代償金を支払える人もいない。

そのようなときに不動産を3000万円で売却し、妻・長男・次男で1000万円ずつ分ける。これが換価分割の典型例です。

換価分割の注意点

注意点としては、財産を売却してしまうため、あとから「やっぱり売りたくない」と思っても戻すことはできません

また、不動産を売却して利益が出た場合には、税金がかかることもあります。

さらに、売却には時間や費用がかかる点も考えておく必要があります。

誰もその財産を引き継ぐ予定がない場合や、公平を優先したい場合には、売って分けるという選択肢も現実的です。

共有分割:共有名義にして持分で分ける

四つ目は「共有分割」です。これは、ひとつの財産を複数の相続人の共有名義にする分け方です。

その場では公平に見えますが、あとで扱いが難しくなることがあります

共有分割の具体例

たとえば、自宅不動産を相続人全員の共有名義にするケースです。

相続人が3人いて、自宅を3分の1ずつの共有名義にする場合。

持分という割合で分けるため、数字の上ではきれいに分かれている状態で、一見すると平等に分けたように見えます。

財産を売らずにそのまま残せるという点も、メリットといえます。

共有分割の注意点

ただし、共有になった不動産を売却したい場合や、賃貸に出したい場合には、原則として共有者全員の同意が必要になります。

意見が合わなければ、身動きが取れなくなることもあります。

また、次の世代に相続が起きると、共有者がさらに増えていき、権利関係が複雑になりやすいという面もあります。

最初は3人だった共有者が、相続を重ねるうちに何十人にもなり、話し合いの足並みがそろわなくなる、というのはよくある話です。

「とりあえず共有にしておこう」と決める前に、将来の管理や処分のことまで考えて選ぶことが大切です。

分け方で変わる「税金」の扱いに注意

4つの分け方は、選ぶ方法によって税金の扱いが変わることがあります

ここは見落としやすいポイントなので、あわせて押さえておきましょう。

代償分割で支払う代償金と贈与税

代償分割で支払う代償金は、きちんと遺産分割協議の中で決められたものであれば、贈与にはなりません。

ただし、遺産分割協議書に「代償分割」であると明記されていなかったり、相続した財産より代償金のほうが多かったりする場合には、贈与税が課税される可能性があるので注意してください。

換価分割は各自で申告が必要になることも

不動産を売却して換価分割をした場合、譲渡所得がプラスであれば申告が必要になります。

その際に申告をするのは、売却代金を受け取った相続人それぞれです。分け方を決めるときには、その後の税金まで含めて考えることが大事です。

遺産分割トラブルの相談先は「弁護士」だけ

相続についての相談先は、税理士、弁護士、司法書士、行政書士など、複数の選択肢があります。

ただし、遺産分割トラブルの解決(相手方との交渉や調停の代理)を取り扱うことができるのは弁護士のみです。

税理士は税金、司法書士は登記、行政書士は書類作成というように、それぞれ役割が分かれています。

当事務所では、相続に強いだけでなく、親身になってくれる弁護士の提携先をご紹介できます。

まとめ

それでは今回のまとめです。

遺産の分け方には、次の4つの方法があります。

①現物分割(そのまま分ける)
②代償分割(お金で調整する)
③換価分割(売って分ける)
④共有分割(共有にする)

「そのまま分けられないか→足りない分をお金で調整できないか→それも無理なら売る→それでも決めきれなければ共有」という順番で考えると、整理しやすくなります。

そして、法定相続分はあくまで目安であること、「とりあえず共有」は慎重に選ぶこと、そして分け方によって税金の扱いが変わることを覚えておいてください。

数字の上での公平さだけではなく、その後の使いやすさや将来のことまで考えて選ぶことが大切です。

分け方の選択肢を知ることで、遺産分割の話し合いのアイデアはぐっと広がります。

今日の内容が、より納得感のある遺産分割のヒントになればうれしいです。