こちらの記事は、働きながら税理士試験の合格を目指される方向けです。
小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。
今を遡ることもう20年以上前になりますが、税理士試験の官報合格直後、「私の税理士試験合格作戦 ’98年版」(エール出版社)に合格体験記を寄稿しました。
その時の原稿をリライトして、ブログ記事にしてみました。今回はその連載の2回目です。
税理士きむら
▼こちらは私が監修した書籍です。色々な仕事の仕方をしている税理士が登場します。合格後どんな税理士になりたいか、イメージを膨らませたい方におすすめです。
決して順調とは言えない受験歴だからこそ生まれた私の勉強法
私の合格について、周囲の方々は早い合格だったねと言います。
ところが、連載1回目に書いた受験歴を見て頂くとわかるとおり、延べ10科目受験しているので、勝率は5勝5敗で5割です。また、法人税法以外は合格するまで2、3回の受験を経なければなりませんでした。
決して順調とは言い難い、受験歴だったと思います。
ただ、受験を4回する過程で、尻上がりに受験戦績は良くなっていきました。最後の年、法人税法は1回の受験で合格することができました。
つまり、私の勉強法は、働きながら複数科目受験を繰り返す過程で、不合格の反省点をふまえ、前年の勉強法を修正し、少ない時間をいかに有効利用するか模索しながら確立したものなのです。
今回は、そんな私の勉強法についてお話しします。
税理士きむら
勉強法1・時間の捻出法
理論暗記は隙間時間で
まず、隙間時間の有効活用。これ大事です!
多くの合格者がそうしたように、私も通勤・昼休みをフル活用して勉強していました。これで1日最低1時間は勉強時間が確保できます。年200時間程度の勉強量になるので、ばかになりません。
あと、私はこういった隙間時間は、理論暗記に充てました。なぜなら、家で机に向かって落ち着いて勉強できる時間は、計算学習だけに充てたかったからです。
当時のきむら
ちなみに、理論暗記は全科目、ほぼ隙間時間を使ってこなすことができました。あとは定期テストの試験前、粘ってギリギリまで暗記してたくらいかな(;´∀`)。
超朝型生活
受験生活を始めた当初、苦労したのは、仕事で疲れた帰宅後、勉強するのがとても苦痛だったことです。
そこで、かなり極端な朝型学習をすることにしました。
夜は帰ったら食事と入浴後、さっさと寝ます。残業のない時期なら、夜8時就寝。そして朝2時に起きて7時まで勉強しました。
そのほうが仕事の疲れがすっきり取れるので私には向いてました。
この方法は、テレビを見たりして時間を無駄に過ごすのを防ぐ効果もあります。また、未明から早朝にかけて勉強すると、家族も寝ているし他にすることも無いせいで、非常に集中できました。
「朝型生活はいいぞ~、サイコーだぞ!」
と説くようになり、著書にも「朝型に自分は救われた」と書きました。
ところが、新たな研究結果によると、どうも朝型人間と夜型人間の違いは、遺伝子によって決まるのだとか…。私はどうやら、朝型遺伝子の持ち主だったようです。
だから最近は、朝型を無理に勧めるのは自重しています。
でも、もしもあなたの遺伝子が「朝型」だったら、やはり、朝に勉強するスタイルはいいですよ!お尻の時間が「朝、出勤準備を始めるまで」とはっきりしているので、夜より集中して勉強をすることができますから。
夜だと、無限に時間があるように、錯覚しがちなんですよね。だから、夜型の方も「〇時まで」とデッドラインを決めて勉強に取り組むことを心がけましょう!
勉強法2・計画は立てるべき
「計画をたてる時間があるなら1題でも多く問題を解くべし」
こう言う方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。時間に制約のある社会人が複数科目合格を狙うなら、漫然と勉強するのは避けるべきです。
私自身、受験歴で最初の2年がぱっとしなかったのは、無計画に勉強した結果、好きな科目に片寄って、また、計算と理論なら、好きな計算に片寄って勉強しからです。
その結果、苦手な科目や理論で取りこぼすことになりました。
そこで3年目から、「隙間時間は理論勉強のみ」というルールを徹底すると共に、計画を立てるようにしました。
しかし、あまり綿密な計画を立てる余裕が無いのも事実です。そこで、計画を立てるといっても
「月曜は固定資産税で、火曜は消費税」
といったような大ざっぱなものでしたが、それでも効果はありました。
要はバランスよく学習が行えるよう自分なりの方法で管理出来れば、よいのです。
勉強法3・反復は弱点に絞って
効率良く学習を進めるには、間違い(弱点)ノートが欠かせません。
当時のきむら
でも、仕事をしながら受験している場合、手間ひまかけてノートを作る余裕はありません。そこで私は、教科書を利用して、自分の弱点を一目瞭然にする方法を考えました。
用意するのは目立つ色のマーカーと、直径1cm位の金色の星形シールです。
- まず問題を解いて最初に間違えたら、教科書の該当個所をマークします。
- 同じ個所をまた間違えたらシールを1個貼ります。
- その後も同じ個所を間違える都度、シールを追加して貼っていきます。
実力判定テストや本試験の前に限らず、仕事が忙しく勉強時間がとれない時は、教科書をぱらぱらめくり、星の数の多い順に(ここがミソ)見返しました。
当時のきむら
また、本試験直前は
「どこを勉強すればいいのかわからない😢」
という不安を抱きがちです。
ところが、この「星」の数の情報のおかげで、焦る気持ちを落ち着かすことができるようになりました。星の数が多いところから勉強すればいいからです。
つまり、迷った時には、星の数が勉強する際の羅針盤になってくれたというわけです。
インサイドストーリー(2)恩人S先生、現る
原稿に書ききれなかったことを裏話的に紹介するインサイドストーリー、第2回目です。
税理士を目指すことを決めた私は親に
当時のきむら
と打ち明けました。すると親は、超猛反対です。当時、雅子妃のご成婚フィーバーだったこともあり
父
と、嫌みを言われるしまつ…(涙)
こう書くと、なんてひどい親と思われるかもしれませんが、無理もないのです。
私は地道にコツコツ何かをするのが超苦手。特にその最たるものが「勉強」でした。
なにせ、子どもの頃から机の前に15分と座っていられないのです。これから書くことを読むと、みなさんドン引きされるかもしれませんが、大学生の頃、私があまりにも学習机を使わないため、机の上が埃だらけになり、さらにそこに虫がわいてしまったことがありました(恐)。
父
とにかく税理士試験の道を断念させようと、父は最終手段に出ます。父は自営業をしていたのですが、なんと自分の顧問税理士・S先生に、こう頼んだのです。
父
S先生
さて、S先生・父・私との三者面談の日。重苦しい雰囲気の中、S先生は、こう話しを始めました。
S先生
税理士試験は会計と税金の勉強をします。たとえ税理士になれなくてもこの2つの知識は、会社勤めをしても、結婚して専業主婦になっても、どの世界でも役に立つ知識です。
合格しなくても、勉強して損はない試験ですから。
父は『諦めさせてほしかったのに、話が違う!』と思ったのか、呆然としていました(笑)。
一方、私はS先生の説得力ある話しぶりに、感動してしまい
『すごいな。こういう人に、私もなりたい…』
心の底からそう思いました。
S先生が父の顧問税理士でなければ、もしかすると私は税理士試験のスタートラインには立てなかったかもしれません。この業界に入ってから私には何人も恩人がいますが、S先生は最初の恩人でした。
「税理士試験は、会計と税金の勉強をします。この2つの知識はたとえ税理士になれなくても、社会に出て必ず役に立つ知識です。」
このS先生の言葉は、自分が税理士になった後、税理士を目指すことを迷っている方に出会ったら、そっくりそのまま言うことにしています。
まとめ
税理士きむら
・隙間時間の活用や朝型学習で時間を捻出
・計画を立てる
・反復するのは弱点に絞る
ということでした!
限りのある資源である「時間」を、どのようにかき集め、そして、効果的に使うか。
そのことを、受験している間は、とにかく考えていました。
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座学より実学
— 税理士きむらあきらこ(木村聡子)@仕事モード (@k_tax) 2019年5月11日
問題点は実はシンプル
そして言語化ってとても大事
⇒アメリカで 日本酒ぜんぜん 流行ってない【今日の一句】|Saki Kimura / Sake Journalist|note(ノート) https://t.co/2IIvmx0kmB
このnoteの中の言葉で言うと
聞きかじりの情報ではなく、リアルタイムの、生の情報が必要だということ
これ、情報発信する上でも、とても大事なことだと痛感しています。
二次情報をもとに、いいこと書いてるブログだったら
一次情報をもとに、ちょっといいこと書いているブログのほうが
迫力あるし、読んでいても面白いんですよね。
内容も良かったんですが
一次情報の大切さを改めて感じたnoteだったので、ツイッターでシェアしました。