こちらの記事は、働きながら税理士試験の合格を目指される方向けです。
小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。
今を遡ることもう20年以上前になりますが、税理士試験の官報合格直後、「私の税理士試験合格作戦 ’98年版」(エール出版社)に合格体験記を寄稿しました。
その時の原稿をリライトして、ブログ記事にしてみました。当時、原稿に書ききれなかったことも、インサイドストーリーとして盛り込んでいます。
税理士きむら
▼こちらは私が監修した書籍です。色々な仕事の仕方をしている税理士が登場します。合格後どんな税理士になりたいか、イメージを膨らませたい方におすすめです。
私の税理士試験受験歴
〔私の受験歴〕(赤い字は合格科目)
平成6年 簿記論・固定資産税
平成7年 簿記論・財務諸表論・消費税
平成8年 財務諸表論・消費税・固定資産税
平成9年 財務諸表論・法人税
平成9年12月17日の朝を、自信があるのか無いのか自分でも判らないものすごく複雑な気持ちで迎えました。それまでも合格発表当日は緊張しましたが、官報リーチの発表の朝は、さすがに違います。
「良くても悪くても、早く結果を知ってラクになりたい」と、仕事も手につきません。そんな時、お世話になった大原簿記学校の先生から、職場に電話が入りました。
大原の先生
その瞬間、目から自然に暖かいものがウルウル。今までの勉強が報われたことを知り、体が震えました。
同時に私の4年間の青春が終わったという寂しさも交じった感慨が、一気に胸に込み上げました。
税理士試験が第2の青春
え?受験生活が青春?
はい、実際そうでした。楽しい充実した日々を、社会人になってからも送れるとは!おまけに頑張った証しが、税理士試験の合格という素晴らしい卒業証書でした。
専門学校の学友や先生、家族、所長をはじめとする職場の同僚、担当している会社の方々、昔からの友人…多数の方の励ましや協力がありました。
合格したことも喜びでしたが、受験と仕事を通じて多くの人と出会い、励まされ、影響を受け、人の暖かさに触れた事も受験で得た宝物でした。
そして、1つのことを地道に続ければいつかは夢はかなうという、自信を得る事もできました。
これを読んでいるみなさまも、是非、税理士試験合格という目標に向かって、試行錯誤しながら自分の能力をフル動員してみてください。その過程で、資格取得の他に得られるものがたくさんありますよ!
■ スポンサー広告 ■働きながら合格したのは、先輩のひとことがきっかけ
ところで、みなさんが私の体験記で期待するのは、働きながら合格した秘訣だと思います。
まず第一に、自分の性格が大きな要因だったように感じています。自分で言うのも何ですが、私は非常に負けず嫌いで、仕事と勉強の両立も、これを活かして乗り切りました。
そんな私の負けず嫌いエピソードを1つご紹介しましょう。私は税理士試験の勉強開始と同時に、会計事務所での勤務を始めましたが、会計事務所に就職した初日、いきなり先輩から
先輩
と言われたのです。今思えば、その先輩はやる気に燃える私を見て、心配してそう言ったのでしょう。
しかし当時の私は
当時のきむら
と憤慨。そしてその日に決意しました。
当時のきむら
先輩のひとことが自分の負けじ魂に火をつけたからこそ、深夜に及ぶ残業が続く確定申告の時期も、3月決算に追われる5月の繁忙期も、乗り切ることができました。
あなたの性格がもし負けず嫌いだとすれば、それを前向きなパワーの原動力にして下さい!あなたは税理士試験を突破できる資質の持ち主であること間違いなしです。
20年以上経って、このブログを書くにあたり読み直してみて、そこに違和感をかんじました。
なぜなら、そうであれば、負けず嫌いな人だけが試験に合格することになります。
ストレングスファインダーを知った今の私は、こう思います。人はそれぞれの資質(才能)を活かしきった時に、最大の成果を出すのだと、
つまり、自分の資質をうまく利用してモチベーションを維持したことが、合格の秘訣だったのだと、今は考えています。
合格のメソッドは人それぞれで、誰かにとって上手くいった方法が必ずしも自分には当てはまらないのは、それぞれの資質に応じた成功法則があるからなのでしょうね。
自分の資質を知れば、合いそうな勉強法などある程度はあたりがつきます。受験生のみなさん、まず、ストレングスファインダー等で自分の資質を知ることが、合格の近道になるかもしれません。
インサイドストーリー(1)私が税理士を目指すことになった背景
原稿に書ききれなかった裏話的を、インサイドストーリーとして紹介していきますね。
まずは、私が税理士試験を目指すことになった背景をお話ししましょう。
私の大学生の頃は、バブルの絶頂期。ろくに勉強もせず、毎日遊んでばかりでした。
そして就職活動時には、企業側が学生に「わが社に来てください」と頭を下げてお願いするような、今から考えたら信じられないような時代でした。
というわけで、就職活動についてはこれといった努力もせず、某一部上場企業に入社します。
ところが就職した直後、バブル経済が崩壊。その直後から、頭を下げてペコペコしていた会社の手のひら返しが始まりました。
会社の上司
毎週朝礼でこう言われるようになり、愕然とすると同時に、このように態度が豹変する会社に仕えて一生を終えることが、イヤでイヤでしようがなくなりました。
しかし、会社が一方的に悪いわけではありません。学生時代に遊び暮らし、何のスキルもなかった私にも非はあります。
しかも、社会人になったら、いくらプライベートが充実していたとしても、一日の大半を過ごすのは職場です。
仕事ができなければ、こんなに人生つまらないものなんだ…。
学生時代にもうすこし、社会に出ることを見据えて勉強をしておけばよかった…。
このように後悔の念を感じましたが、いくら悔やんでも、もう一度学生時代に戻ることはできません。
ところが、同期入社の高卒の女の子で、めちゃくちゃ仕事ができる子がいました。そこで、質問をしてみました。
当時のきむら
〇〇ちゃん
こう答えてくれたのが、ものすごく記憶に残りました。
その後、私は体調を崩したのをきっかけに、会社を2年で退職。しかし、親はモラトリアムを許しません。
身体の調子が良くなったと同時に
父
と、身の振り方に関する厳しい追及が始まりました(^_^;)
私はとっさに
当時のきむら
と答えましたが、その背景には、学生時代の不勉強を悔いていたこともあり
当時のきむら
という気持ちがありました。しかし、この時点では、何を勉強するか決めていませんでした。
そこで、働きながら取得できる資格はないものか図書館に行って調べたところ、「税理士」という資格が目に飛び込んできたのです。
税理士って、会社で〇〇ちゃんから聞いた「簿記」をベースにした資格のようだ。
「簿記」を勉強すれば、私も〇〇ちゃんのように仕事ができる人間になれるかも。
平成5年春。私は税理士を目指すことを決意しました。
それに「税理士」という資格には、大学生の頃、とある因縁(というか怨念)があったのです。その因縁については、この連載の最後にお話しします。
まとめ
私は学生時代、秀才タイプではありませんでした。おまけに、机に座ってじっと勉強することが大の苦手でした。
そんな私が合格まで勉強し続けることができたのは、ひとえに、入社初日に私の心に怒りの火をつけた先輩のひとことが大きかったように思います。
税理士きむら
税理士試験のような長期間にわたるプロジェクトに必要なのは、能力よりも、自分自身の資質を熟知し、自分をなだめたりすかしたりすることです。
反骨精神があって、ちょっとした不遇に燃えるタイプの私には、「今に見てろよ」的なエピソードを忘れないようにしたのが、結果的に吉と出たようです。
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一億総活躍時代なんて言うんだったら
— 税理士きむらあきらこ(木村聡子)@仕事モード (@k_tax) 2019年5月9日
変な配偶者控除・配偶者特別控除もやめて
軽減税率もやめて
浮いた分の財源を全部保育園へどうぞ。保育士さんの待遇を良くしてください。
ついでに
スポーツジム控除より
セルフメディケーション税制より
保育料控除やりましょう!
#保育士さんありがとう
一億総活躍のためには、あの複雑怪奇な配偶者控除・配偶者特別控除よりも、保育料控除を導入したほうが、効き目があるように感じます。そのほうが女性が働きやすくなるよね。
もしも保育料控除が実現するのなら、セルフメディケーション税制みたいなたかが知れた控除額ではなく、控除額上限ナシくらいの大盤振る舞いをしてほしいものです。