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贈与税の計算方法を税理士がわかりやすく解説【初心者向け】

こちらの記事は、「贈与税の計算方法を知りたい」「自分で贈与税を計算してみたい」「贈与税がいくらかかるか不安」とお考えの方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ( YouTubeです。

税理士きむら

親やおじいちゃん・おばあちゃんから贈与でお金をもらったとき、「贈与税はいくらかかるんだろう……」と不安になっていませんか?

実は、贈与税の計算方法はとてもシンプルです。基本的な贈与であれば、仕組みを理解すれば電卓一つで計算できます。この記事では、贈与税の計算方法を具体例と数字を使ってわかりやすく解説します。

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贈与税の計算方法の基本——まず「暦年課税」の仕組みを知ろう

贈与税とは、贈与を受けた人(もらった側)が納める税金です。贈与した側ではなく、もらった側が申告・納税します。この点をまず押さえておきましょう。

一般的な贈与税の計算方法は「暦年課税」と呼ばれます。その年の1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与財産の合計額をもとに計算します。

贈与税の計算式はこうです。

STEP 1 1年間の贈与合計額 - 基礎控除額(110万円)= 課税価格
STEP 2 課税価格 × 税率 - 控除額 = 贈与税額

基礎控除の110万円以内であれば贈与税はかかりません。たとえば親から90万円もらっても、110万円以下なので贈与税はゼロです。

また、贈与税は「もらった人単位」で計算します。複数の人からもらった場合はすべて合算して計算します。「AさんとBさんそれぞれから110万円ずつもらっても、1人あたり110万円だから非課税」というのは間違いなので注意してください。

贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年の3月15日です。基礎控除を超えた場合は忘れずに申告しましょう。

贈与税の計算に必要な「特例税率」と「一般税率」の違いとは?

贈与税の計算で最初に確認すべき重要ポイントは、自分の贈与が「特例税率」と「一般税率」のどちらに当たるかを判断することです。税率の種類によって税額が大きく変わります。

特例税率——直系尊属からの贈与に適用(税負担が軽い)

特例税率は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の人が、父母・祖父母など直系尊属から受け取った贈与に適用されます。直系尊属とは、自分の親・祖父母・曾祖父母など血のつながった上の世代の親族のことです。配偶者の親(義父母)は直系尊属にあたりません。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

一般税率——それ以外の贈与に適用(税負担がやや重い)

特例税率に当てはまらない贈与はすべて一般税率の対象です。未成年の子や孫への贈与、配偶者への贈与、兄弟・友人など直系尊属以外からの贈与が該当します。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

特例税率のほうが一般税率より税負担が軽くなります。どちらに当たるかを最初に確認することが、正確な贈与税の計算への第一歩です。

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【計算例①】親から500万円もらった場合の贈与税はいくら?(特例税率)

では、実際に贈与税の計算方法を具体例で見てみましょう。

【例】成人(18歳以上)の方が、お父さん(直系尊属)から500万円の贈与を受けた場合

基礎控除後の課税価格 500万円 ー 110万円 = 390万円
贈与税額(特例税率) 390万円 × 15% ー 10万円 = 48.5万円

親から受け取った500万円に対して、贈与税は約48.5万円です。受け取った金額の中から税金分を確保しておきましょう。

【計算例②】同じ金額でも一般税率だといくら変わる?

参考として、同じ500万円の贈与でも一般税率が適用された場合の計算も見てみましょう。たとえば、おじから贈与を受けた場合(一般税率)などが該当します。

基礎控除後の課税価格 500万円 ー 110万円 = 390万円
贈与税額(一般税率) 390万円 × 20% ー 25万円 = 53万円

同じ500万円の贈与でも、特例税率(48.5万円)と一般税率(53万円)では約4.5万円の差が生じます。誰から贈与を受けたかによって税額が変わるため、税率の種類の確認は欠かせません。

【計算例③】特例税率と一般税率が混ざる場合の贈与税の計算方法

同じ年に、特例税率と一般税率の両方が混ざった贈与を受けた場合は少し複雑な計算が必要です。

【例】同じ年に、成人の方が、お父さんから400万円・その他の方から100万円(計500万円)の贈与を受けた場合

この場合の計算ルールは次の3ステップです。

  1. すべての財産を「一般税率」で計算した税額 × 「一般贈与財産」の割合
  2. すべての財産を「特例税率」で計算した税額 × 「特例贈与財産」の割合
  3. 贈与税額 = ①+②

「全部が一般税率だったら」「全部が特例税率だったら」という仮定でそれぞれ税額を求めたあと、財産の割合でそれぞれの贈与税額を計算して、最後に合算する方法です。

混在パターンの計算例

たとえば、お父さんから400万円(特例)、赤の他人から100万円(一般)の贈与を受けた場合で計算してみましょう。

合計受取額 400万円(特例)+ 100万円(一般)= 500万円
基礎控除後の課税価格 500万円 ー 110万円 = 390万円
①一般税率で計算した税額 × 一般の割合 390万円を一般税率で計算 × 100万円÷500万円(一般の割合)
= 53万円 × 1/5 = 10.6万円
②特例税率で計算した税額 × 特例の割合 390万円を特例税率で計算 × 400万円÷500万円(特例の割合)
= 48.5万円 × 4/5 = 38.8万円
贈与税額(①+②) 10.6万円 + 38.8万円 = 49.4万円

「それぞれの税率でまず全額を計算し、財産の割合で按分する」という考え方を理解すれば対応できます。

贈与税の計算が自分でできないケース——税理士に頼む3つの目安

ここまで説明してきた暦年課税による贈与税の計算方法は、基本的な贈与であれば自分で計算できます。ただし、次のようなケースでは計算が複雑になるため、税理士への相談をおすすめします。

  • 相続時精算課税を選択している場合
  • 土地・建物など不動産の評価が必要な贈与の場合
  • 住宅取得資金の非課税特例など特例制度を使った贈与を検討している場合

少しでも不安を感じたら、恥ずかしがらずに税理士に相談してください。

贈与税の計算方法に関するよくある質問

Q. 贈与税の基礎控除110万円は毎年使えますか?

はい、基礎控除の110万円は毎年使えます。1月1日〜12月31日の1年ごとにリセットされます。ただし、毎年同じ金額を定期的に贈与し続けると「定期贈与」とみなされ、まとめて課税される場合があります。贈与のたびに贈与契約書を作成するなど注意が必要です。

毎年110万円以内の贈与はキケン?定期贈与で課税されないようにするには?

Q. 贈与税の申告はいつまでに行えばよいですか?

贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日です。基礎控除(110万円)を超えた贈与を受けた場合は、翌年3月15日までに税務署へ申告・納付が必要です。

Q. 贈与税と相続税はどう違いますか?

贈与税は生前に財産を渡したときにかかる税金、相続税は亡くなった後に財産を受け継いだときにかかる税金です。生前贈与を活用して相続財産を減らすことで、相続税を抑える対策にもなります。ただし、亡くなる前3〜7年以内の贈与は相続財産に加算される場合があるため、早めの対策が重要です。

Q. 贈与税がかからない贈与はありますか?

はい。基礎控除110万円以内の贈与のほか、結婚・子育て資金の一括贈与の特例、住宅取得等資金の非課税特例、夫婦間の居住用不動産贈与の配偶者控除など、条件を満たせば非課税になる制度があります。詳細は税理士にご相談ください。

まとめ——贈与税の計算方法をおさらい

  • 贈与税の計算方法は「(贈与合計額 - 110万円)× 税率 - 控除額」のシンプルな構造
  • 税率は特例税率(直系尊属から18歳以上への贈与)一般税率(それ以外)の2種類
  • 特例税率のほうが税負担が軽く、どちらに当たるかの確認が計算の第一歩
  • 特例・一般が混ざる場合は按分計算が必要
  • 不動産贈与・相続時精算課税などは税理士への相談が安心
  • 贈与税の申告期限は翌年3月15日——基礎控除を超えたら忘れずに申告を

贈与税の計算方法は、仕組みを理解すれば決して難しくありません。ぜひご自身の贈与額にあてはめて計算してみてください。不安な点があれば、いつでもご相談をお待ちしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!