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子どものいない夫婦は遺言書が必須|相続人と遺留分を解説

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こちらの記事は、子どものいない夫婦で、将来は財産をすべて配偶者に残したいとお考えの方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ( YouTube)です。

相続対策と聞くと、なんだか敷居が高いと感じませんか?

お金も時間もかかりそうですよね。

そもそも何から手をつけたらいいのか分からないと感じている方は、とても多いと思います。

ところが、子どものいない夫婦に限っては、3分でできる対策が1つあります。

それが遺言書を作ることです。

「え、そうなの?」とびっくりした方は、この記事が関係あるかもしれません。

この記事では、子どものいない夫婦の相続人は誰になるのかを解説し、遺言書があると何が変わるのかまでをわかりやすくお伝えします。

読み終える頃には、ご夫婦で今すぐ何をすればよいかがはっきりわかります。

まずは確認!子どものいない夫婦は誰が相続人になるのか

まず整理しておきたいのが、「誰が相続人になるのか」というルールです。

配偶者は、必ず相続人になります。

これはどんな相続でも共通です。

そして第1順位は、お子さんです。

お子さんがいれば、その方が相続人になります。

お子さんがすでに亡くなっている場合はどうでしょうか。

その子ども、つまり孫やひ孫が代わりに相続人になります。

第1順位がいない場合は、第2順位です。父母や祖父母などの直系尊属が相続人になります。

第1順位も第2順位もいない場合は、第3順位です。兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子ども、つまり甥や姪が相続人になります。

子どものいない夫婦の場合、年齢から考えてみてください。

親というよりも、第3順位の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる可能性が高いのです。

まずは「自分たちの場合、誰が相続人になるのか」を確認しましょう。

子どものいない夫婦に遺言書がない場合に起こること

さきほど「お子さんのいないご夫婦は、遺言書を必ず作るべき」とお伝えしました。

では、その理由をご説明します。

子どものいない夫婦の場合、遺言書がないとどうなるでしょうか。

配偶者だけでなく、兄弟姉妹、場合によっては甥姪とも話し合いをする必要があります。

相続人全員の同意がないと手続きが進まない

亡くなった方の財産は、法律で決まった相続人全員で分け方を話し合うことになります。

これを遺産分割協議といいます。

お子さんもいない、親も亡くなっている場合はどうでしょうか。

配偶者だけで財産の行き先を決められるわけではありません。

兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合、その全員の同意が必要になります。

亡くなった方に「財産をすべて配偶者に残したい」という思いがあったとします。

それでも遺言書がなければ、その思いは自動では実現しないのです。

例えば、夫が亡くなったとしましょう。

相続人は、妻と夫の兄、そして亡くなった弟の子ども二人になりました。

この場合、妻はその三人全員と連絡を取らなければなりません。

財産の分け方について、同意をもらう必要があります。

さらに、印鑑をもらい、書類をそろ、場合によっては、何度もやり取りが必要になります。

疎遠だと手続きが止まってしまう

兄弟姉妹との関係が良好なら、問題にならないこともあります。

ですが、長年疎遠だったり、居場所が分からなかったりすると、それだけで手続きが止まってしまいます。

そのため、気持ちの問題だけでなく、時間も労力もかかります。

自分たちは大丈夫と思っていても、いざという時に困るのは遺された配偶者です。

まずは「遺言書がないとどうなるのか」を知っておくだけでも、大きな一歩です。

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遺言書があると変わること

では、子どものいない夫婦に遺言書があると、どうなるのでしょうか。

あるとなしとでは、大違いです。

「全財産を配偶者に相続させる」と遺言書に書いておきましょう。

兄弟姉妹が相続人でも、配偶者がスムーズに財産を引き継ぐことができます。

遺言書がある場合、原則としてその内容が優先されます。

つまり、遺産の分け方をあらかじめ自分で決めておけるということです。

そして、相続人が配偶者と兄弟姉妹になるケースでも同じです。

「全財産を妻に相続させる」と書いておけば、遺産分割の話し合いをする必要がなくなります。

例えば、夫が「全財産を妻〇〇に相続させる」と遺言書を書いていたとしましょう。

兄弟姉妹は相続人ではありますが、財産の分け方について口を出す立場にはなりません。

預金の解約や不動産の名義変更も、遺言書に基づいて妻が手続きを進めることができます。

兄弟姉妹には遺留分がない

なぜかというと、兄弟姉妹には「遺留分」がないからです。

法律では、一定の相続人に対して「最低限もらえる取り分」が認められています。

これを遺留分といいます。

なぜ遺留分が認められているのでしょうか。

例えば「全財産を愛人に」という遺言書があったら、遺された家族は困ってしまいますよね。

そういう時のために、相続人に最低限の取り分を決めておくのです。

そうすることで、相続人の権利が守られます。

そして、配偶者や子ども、親にはこの権利があります。

ところが、兄弟姉妹にはありません。

「全財産を配偶者に」と書くことで、兄弟姉妹や甥姪は財産をもらえる権利がなくなるのです。

難しい対策をたくさん考えなくても、この一枚の遺言書で大きく状況は変わります。

自分の思いをきちんと形にしておくことが、遺される配偶者への一番シンプルな対策です。

遺言書はこちらの記事でも詳しく、書いております。

【必見】こんな人は遺言を書くべき!相続専門税理士が解説【4タイプ+1】【必見】こんな人は遺言を書くべき!相続専門税理士が解説【4タイプ+1】

配偶者の親がご存命の場合は遺留分に注意

ところで、お子さんのいないご夫婦でも、配偶者の親がご存命の場合は簡単にはいきません。

配偶者と親が相続人になるケースは注意が必要です。

「全財産を配偶者に」と書いても、遺留分を請求される可能性があります。

子どものいない夫婦で親がまだご存命の場合は、この遺留分を考える必要があります。

親の遺留分は、1人あたり最大で6分の1です。

例えば母親のみがご存命であれば、その母親が6分の1を請求できる可能性があります。

ただし、これは自動的に権利が生じるわけではありません。

「請求する」という行動があって初めて問題になります。

具体的な金額で見てみましょう。

例えば、財産が6000万円あったとします。

親が1人なら、その方は最大で1000万円を請求できる可能性があります。

また、両親が健在なら、それぞれが500万円を請求できる可能性があります。

ただ、亡くなった方のご両親との関係性によっては、請求されないこともあります。

なぜなら、実際に請求するかどうかは、その相続人の判断に委ねられるからです。

ですから、配偶者に全財産を残すことは不可能というわけではありません。

遺言書を残さないよりは、配偶者に全財産を残してあげられる可能性は高くなります。

もし請求される可能性が高いと感じるなら、あらかじめ遺留分を考慮した内容を遺言書にしておくことも検討しましょう。

そうすることで、遺される配偶者が自分の親と対立することを避けられます。

子どものいない夫婦の遺言書の作り方

では、実際に遺言書はどうやって作ればいいのでしょうか。

書くのは3分でできますが、確実性を重視するなら公正証書遺言がおすすめです。

自分で書く場合は、法務局の保管制度を利用しましょう。

遺言書にはいくつか作り方があります。

1つは自分で全文を書く方法、もう1つは公証役場で作る方法です。

自筆証書遺言は形式ミスに注意

自分で書く遺言書は手軽です。

ですが、形式を間違えると無効になることがあります。

また、亡くなったあとに家庭裁判所での手続きが必要になる場合もあります。

自分で書く場合でも、法務局の保管制度を利用すればどうでしょうか。

亡くなったあとの家庭裁判所での手続きが不要になります。

確実なのは公正証書遺言

一方、公証役場で作る公正証書遺言は公証人が形式をチェックしてくれます。

ですから、書き方のミスで無効になる心配はほとんどありません。

また、原本も公証役場に保管されるため、紛失の心配もありません。

こちらの記事でも解説しております。

「遺言」書こうとしている方、思いとどまってください【庶民のための相続対策】「遺言」書こうとしている方、思いとどまってください【庶民のための相続対策】

遺言執行者を決めておくとよりスムーズ

例えば「全財産を妻〇〇に相続させる」と明確に書きます。

さらに「遺言の内容を実行する人として〇〇を指定する」としておきましょう。

そうすれば、預金の解約や不動産の名義変更がよりスムーズに進みます。

この実行する人を、遺言執行者といいます。

なお、注意点もあります。

夫婦で一枚の遺言書を一緒に書くことはできません。

ですから、遺言書は、それぞれが個別に作る必要があります。

また、誰が相続人になるのかを確認したうえで内容を決めることが大切です。

遺される配偶者が安心できるよう、ぜひ遺言書の作成をご検討ください。

準備がないと財産の4分の1が配偶者以外に

子どものいない夫婦の場合、兄弟姉妹が相続人になることがあるので大変というお話でした。

ここで、法定相続分も確認しておきましょう。

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。

つまり、準備がなければ、財産の4分の1が配偶者以外に移る可能性があります。

例えば財産が6000万円なら、そのうち1500万円です。

もちろん、民法上は、兄弟姉妹の当然の権利です。

でも、遺された配偶者の生活設計にとっては、決して小さい金額ではありませんよね。

私の体感になりますが、兄弟姉妹と配偶者の話し合いになると「もらえるものはいただきます」とおっしゃる方が多いように思います。

だからこそ、「全財産を配偶者に」と意思表示しておく意味があるのです。

私は、相続の現場でたくさんのご夫婦を見てきました。

準備をしていたご夫婦と、していなかったご夫婦。

遺された配偶者の安心感が、まったく違います。

準備がないことで起きる摩擦や不安は、たった一枚の遺言書で防げます。

子どものいない夫婦の相続対策まとめ

最後に、今回のポイントを確認しましょう。

①子どものいない夫婦は、兄弟姉妹が相続人になることがある
②遺言書がないと、配偶者以外にも財産が分かれる可能性がある
③兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言書で配偶者に集中させやすい
④親が相続人になる場合は、遺留分に注意する
⑤正しい方法で遺言書を作れば、遺された配偶者の負担はグッと減る

今日の内容が、ご自身や大切な方の将来を考えるきっかけになればうれしいです。

当事務所は、司法書士法人あかつき総合法務事務所と連携しています。

ワンストップで、みなさんの相続問題を解決できる体制です。

遺言書の作成については、パートナー司法書士がご相談を承っております。

子どものいない夫婦の相続が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。