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私の税理士試験合格体験記(3)簿記論、消費税法、固定資産税の勉強法

こちらの記事は、働きながら税理士試験の合格を目指される方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

今を遡ることもう20年以上前になりますが、税理士試験の官報合格直後、「私の税理士試験合格作戦 ’98年版」(エール出版社)に合格体験記を寄稿しました。

その時の原稿をリライトして、ブログ記事にしてみました。今回はその連載の3回目です。

税理士きむら

今回は科目別の勉強法(合格順・前半)です。基本的には専門学校の敷いたレールに乗ってやれば大丈夫!ただし合格のためには自分なりのプラスαもちょっと必要で、そのプラスαの参考になれば幸いです。

▼こちらは私が監修した書籍です。色々な仕事の仕方をしている税理士が登場します。合格後どんな税理士になりたいか、イメージを膨らませたい方におすすめです。

科目別勉強法・簿記論(平成6年不合格、平成7年合格)

1年目不合格だったのは、税理士試験の勉強が初めてだったこともあり、試験範囲が1回転するまで学校の授業について行くのに精一杯で、応用問題を解くのに必要な簿記の全体像を把握する力が欠けていたからです。

この点は2年目に、巨視的な視点でもう一度仕訳問題から解き直すことで、解消しました。

あと、2年目に財務諸表論の学習を開始したら、不思議に簿記論の問題がすらすら解けるようになりました。

このことからわかったのが、簿記一巡の手続きを意識して基本を大切にすることと、財務諸表論との平行学習が簿記には効果的ということでした。

オススメは総合問題集の3度解きと、スピードトレーニング

ちなみに2年目は学校に通わず、自宅で仕訳問題集と総合問題集を各3回転ずつさせました。

総合問題集は同じ問題集を3回解きしたのですが、その際に

  • 最初は制限時間内で解き
  • 2回転目は制限時間の75%で解き(制限時間60分の問題なら45分で解く)
  • 3回転目は制限時間の50%で解く(制限時間60分の問題なら30分で解く)

こんな感じで、制限時間をどんどん短くしていきました。

同じ問題集を解いたら、3回転目は答えを覚えちゃって、意味がないんじゃないの?

税理士きむら

簿記論の回答パターンはだいたい同じだから、答えを覚えることは解答法を身体に染み付かせることになるので、意味があるんです!
そしてこの方法だと、本試験に対応できるスピード力も鍛えられますよ!

野球に例えると、投手をホームに近づけて打撃練習する感じですかね!

このように、簿記は難しい論点にとらわれず、基本重視でスピードと精度を上げる訓練をすれば、充分合格出来る科目だと思います。

税理士きむら

勉強すべてに言えることだけど、全体像をまず把握することが大事ですね。そして、その後で細かい論点をもう一度抑えると、理解度が段違いに深まります!

科目別勉強法・消費税法(平成7年不合格、平成8年合格)

1年目は簿記論と同じく専門学校に通学しましたが、簿記論・財務諸表論との掛け持ち受験で、あまり消費税に時間を割くことができませんでした。

そこで当時、

ぜったいに本試験で出題される可能性無いから!

大原簿記学校の先生

と言われていた、簡易課税(計算)の手を抜いたら、見事本番で出題され、最終値が合わず不合格という結果になりました。

教訓。範囲が狭いミニ税法は、受験生全体が高レベルなので、自分も知らない論点の無いくらいに仕上げないと、他の受験生に負けてしまいます

そこで2年目は、消費税法に大きい改正が無かったので、簿記論と同じように通学はせず、専門学校の教材で自習しました。

計算は簡易課税は勿論、国等の特例も抑え、理論は過去既出のものも含め全部暗記。

あと、消費税は通達に目を通しましょう。計算問題を解く力が向上しますよ!消費税は計算構造がそんなに複雑ではないので、問題を何度も解きなおすより通達に目を通す方が、計算力アップにつながる。そんな気がしました。

これだけ手を尽くしても、国税三法より少ない勉強時間ですむのですから、ミニ税法は手を抜くべきではありません。

特に消費税の理論は、近年既出の個所からも出題されますから、ヤマ張り厳禁!です。

税理士きむら

ボリュームが大きい科目(国税三法)は勉強する個所を絞ることが大事ですが、反対にミニ税法は、穴が無いよう勉強することが合格の近道だと、つくづく感じました。
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科目別勉強法・固定資産税(平成6年不合格、平成8年合格)

自分で言うのも何ですが、私は固定資産税は大原簿記学校では超優秀な生徒で、1年目から「合格確実」と言われていました。

税理士きむら

今から思うと、1年目ということもあって、税理士試験の怖さを知らず、慢心しまくっていたな~。

そして、本試験では、計算で最終値が合ったのに不合格でした。

あまりのショックで「こんな科目一生やりたくない!」と、1年間固定資産税の勉強を中断してしまった程です。

このことからも言えるように、理論勝負の科目と言えます。

そこで、1年置いた2回目の受験の時は、専門学校の理論サブノート全問題を早めに回転させ、本試験3か月前に完璧に仕上げるようにしました。

そうすることで、直前期に、船舶・航空機等の特殊理論も暗記する余裕がでます。

すると、この年に運よく特殊理論が出題されたこともあり合格しました。

ちなみに、固定資産税については、2回目も専門学校に通学しました。簿記論や消費税法に比べて改正が激しく、そのような科目は、学校の情報に頼った方が間違いないと判断したからです。

税理士きむら

特殊理論を覚えると、たとえ出題されなかったとしても、本試験で「他の受験生には負けない」という精神的なゆとりが得られるのが大きいですよ!

税理士試験合格体験記(4)に続く。

インサイドストーリー(3)

今までのインサイドストーリーはこちら

てなわけで、なんとか税理士受験生活をスタートさせた私でしたが、基本おおらかなのに妙なところで厳しいウチの親は、受験にあたって2つの条件をつきつけてきました。


1つ目。受験専念など甘えたことは許さない。ぜったいに就職すること。
2つ目。1年目で合格科目が出なければ、そこで脈なしと判断し、受験を諦めること。



というわけで、まず1つ目の条件をクリアすべく、就職活動です。

会計事務所の就職活動に苦しんでいる方へ

就職先が決まるまでやく半年かかり、その間、50か所ほどの会計事務所を回りました。

しかし、簿記2級の勉強を始めたばかり・実務経験ナシで、「税理士になりたい」という意気込みだけの未知数の人間を雇ってくれるところなど、そうそうありません。どこに行ってもまさに「おとといおいで」状態。

ある面接先では、所長さんとナンバー2の方が現れて

(ナンバー2の方のほうを指して)この人も相当優秀なんだけど、税理士試験って、そういう人でもなかなか合格しない試験なわけ。あなた、ほんとうに大丈夫かなぁ?

面接先の所長


などと屈辱的なことを言われたりして…。

もっと、ここには書けないような、酷いことを言われた先もありました(^_^;)

私は、税理士を目指しはじめたという人でも、この業界に入りたての人でも、同業者と思っているし、尊重してつきあいたと思っていますが、その原点は、この就職活動にあります。

ただ、就職活動があまりにも苦しかったせいか、税理士試験の勉強そのもので苦しいと思ったことはあまりなかったです。だから、最初のスタート地点で悔しい・苦しい思いをしておいて、良かったのかもしれません。

当時のきむら

🔥🔥早々に税理士になって、私を面接で落とした人をギャフンと言わせたい🔥🔥

とメラメラしましたしね(まあ、面接で私を落とした人が、その後の私の動向に注視はしてないと思いますが💧)。

というわけで、同じように会計事務所の就職活動で、なかなか採用されず苦しんでいる方へ。

事務所の人事戦略上「まっさらな新人をとりたい」と考える事務所は、数は少ないですが、必ずあります!相思相愛の事務所は必ず現れます

だから、面接等で自分を作って背伸びしたり、「こういうところで働きたい」という自分の中での条件を譲歩したりすることだけは、絶対に避けてくださいね。

今のありのままの自分を評価し、受け入れてくれるところが、受験期間中に安定して働ける職場ですから!

1年目、合格科目が出なかったけれど…

さて、親が出したもう1つの条件、「1年目で合格科目が出なければ、そこで受験を諦めること」ですが、私の受験歴を見ておわかりのとおり、1年目は「合格科目ゼロ」でした。

ゼロ科目の通知を見て、ギャン泣きです😢。官報合格のときよりも、泣きました(たぶん、受験時代に一番激しく泣いたのはこの時)。

親に反対されても未成年ではあるまいし、なんとかして続けるつもりではいましたが。やはり、家族の応援や同意が無いというのは、辛いですからね。

ところが、ここで親は「受験をやめろ」とはひとことも言いませんでした。

結果は出なかったけれど、毎日机に向かって勉強をしている姿勢は伝わったのでしょう。

「頑張ってるよね」とか「人間が変わったよね」と言われたわけではないのに、きちんと評価してもらえた気がしました。

親を日々の姿勢で認めさせることができたのが、合格科目ゼロだったとはいえ、翌年以降の自信につながりました。

税理士きむら

でもですよ、今考えると…もしかすると親は、最初から反対するつもりなどなかったのかもしれません。いい気になって慢心しがちな自分の気を引き締めるため、この条件をつきつけたのかなと。
そうであれば、親にしてやられたことになりますね(^_^;)

インサイドストーリーも続く。

まとめ

今日のポイントです。

税理士きむら

・全体像を把握したあとで、細かい論点をもう一度抑えると、理解が深まる。
・ボリュームが大きい科目は勉強する個所を絞ることが大事。ミニ税法は、穴が無いよう勉強することが大事。
・特殊理論を覚えることで、本試験で「他の受験生には負けない」という精神的な余裕も得られる。

特に「全体像を把握したあとで、細かい論点をもう一度抑える」は、勉強に限らず、すべてにおいていえることですね。まず森(全体像)を把握したあとで木(細かい部分)を見ると、気づきが深まります。

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今日のつぶやき&次回のブログ更新は

Googleカレンダーをタスク管理に使うアイデアを書いたブログは、今までいくつか見ましたが、その中でも一番いい!是非、ご一読ください。

というか、この「デザインメモ 2.0」というブログ、デザイナーの方に限らず、とてもお勧めなんですよ♪(最近、更新頻度が少ないのが、残念なのですが)

参考 デザインメモ 2.0 | デザインの未来を、もっと楽しく。デザインメモ 2.0 | デザインの未来を、もっと楽しく。
きむら
次回のブログ更新は、6月の税務カレンダーです!