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贈与税がかからない家族へのお金の渡し方【女性税理士が優しく解説】

こちらの記事は、「家族に贈与税をかけずにお金を渡したい」「贈与税がかからない方法を知りたい」「生前贈与で節税したいけど、贈与税が心配」とお考えの方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ( YouTube)です。

生前贈与は、相続税の節税に有効な方法のひとつです。

たとえば親子間の贈与ならば、親の財産を子どもに移すことで相続財産を減らし、結果として相続税の額も減らすことができます。
でも、「なるべく贈与税をかけずに贈与出来たら……」というのが、贈与を考えている方の素直な気持ちというものですよね。

そこで今回は、こうすれば贈与税はかかりませんよ、この場合は贈与税はかかりませんよというケースについて、まとめてご紹介します。

この記事を読むと、無税で子世代に財産を移す方法がわかります。贈与を考えている方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

あわせて、きむら あきらこのYouTubeチャンネルでも同じテーマをわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

▼この内容を動画で見たい方はこちら

贈与税がかからない方法は大きく2種類ある

贈与税なしで財産を受け取る方法には、大きく分けて次の2種類があります。

①そもそも贈与税がかからないケース
②贈与税のルールを利用する方法

まずは、そもそも贈与税がかからないケースをしっかり把握しておくことが大切です。「贈与税がかかるかも」と心配していたケースが、実はそもそも課税されない場合もあります。

そのうえで、ルールをうまく活用することでより大きな効果が得られます。適宜組み合わせて使うこともできますので、お子さんやお孫さんに贈与税を払わせることなくサポートしたいと考える方は、ぜひ合わせ技も検討してみてください。

そもそも贈与税がかからない4つのケース

まずはそもそも贈与税がかからないケースを4つご紹介します。

①扶養義務者からの生活費・教育費

父母や祖父母などの扶養義務者から生活費・教育費の贈与を受けた場合は、課税対象にはなりません

扶養義務者は父母や祖父母だけでなく、配偶者や兄弟姉妹なども該当します。

ここでいう生活費は「通常の生活を送るために必要な費用」、教育費は「子どもや孫が教育上必要とする費用」のことです。

具体的には、次のようなものが該当します。

  • 子どもが一人暮らしをする際の父母からの仕送り
  • 学校で必要な教材費・文房具費の援助

必要な生活費・教育費として認められる範囲であれば、贈与税はかかりません。

②社会通念上必要なものの贈与

社会通念上必要なものの贈与についても、税金が発生しないので受け取った側が気にする必要はありません。

具体的には、次のようなものが該当します。

  • 祝儀金・弔慰金・香典
  • お花代・見舞金
  • お中元・お歳暮

ただし、一般的な相場を超えるお金をもらった場合は、相場を超える部分が贈与税の対象になる恐れがあるため注意が必要です。

③借金の肩代わり(要件あり)

借金の肩代わりについても、一定の要件を満たせば贈与税はかかりません。

要件は次の3つです。

  • 借金の返済ができないほど生活が困窮している
  • 肩代わりではなく、立て替えてもらっている
  • 貸し借りの証拠を持っている

④お金の貸し借りにする

贈与ではなく「貸し借り」として扱うことで、贈与税を発生させない方法もあります。

借用書を作成して借金の扱いにすることで、贈与税の課税対象外となります。貸し借りで済む場合は、こうした方法も検討してみてください。

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ルールを活用して贈与税をゼロにする5つの方法

次に、税法上のルールを活用することで贈与税をゼロにできる方法を5つご紹介します。

①暦年課税の年間110万円枠を使う

年間110万円以内の財産を贈るなら、暦年課税制度の活用がおすすめです。

年間110万円の控除枠は受贈者(贈与を受ける人)1人あたりの枠です。同世帯にいる2人の孫それぞれに110万円ずつ、合わせて220万円のお金を贈っても、税金は発生しません。1月1日〜12月31日までに110万円以下の贈与を受けた場合は申告も不要です。

贈与税の計算について、こちらをご覧ください。

贈与税の計算方法を税理士がわかりやすく解説【初心者向け】贈与税の計算方法を税理士がわかりやすく解説【初心者向け】

ただし、110万円を超えた場合は贈与税の申告が必要になります。また、毎年同じ金額を定期的に贈与し続けると「定期贈与」とみなされ課税される場合があるので、注意が必要です。

「定期贈与」について、こちらの記事でも解説しておりますので、あわせてお読みください。

毎年110万円以内の贈与はキケン?定期贈与で課税されないようにするには?毎年110万円以内の贈与はキケン?定期贈与で課税されないようにするには?

②相続時精算課税制度の2,500万円の枠を使う

高額のお金や不動産を贈与したい場合は、相続時精算課税制度の活用がおすすめです。

相続時精算課税制度は2,500万円の特別控除を利用できるため、資産価値の高い財産を贈るときに最適な制度といえます。

また、令和6年1月1日からは年間110万円の基礎控除も受けられるようになりました。制度利用の申請をしたうえで贈与をおこないましょう。

▼相続時精算課税制度を使うと、かえって損になる場合もあるので注意が必要です。どんな人が使うとトクになるのか知りたい方は、こちらの動画をご覧ください。

③夫婦間の贈与・配偶者控除(おしどり贈与)を利用する

夫婦間の贈与については、配偶者控除(おしどり贈与)の活用がおすすめです。

対象となるのは婚姻期間20年以上の夫婦です。居住用の不動産、または居住用不動産を取得するために必要なお金を夫婦間でやり取りする場合に利用できます。

④時限立法(特例制度)を利用する

期限付きの特例制度(時限立法)を活用する方法もあります。代表的なものは以下の3つです。

【結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置】
父母や祖父母などの直系尊属から、子どもや孫に1,000万円以内の贈与が非課税になります。

【教育資金一括贈与の非課税措置】
父母や祖父母などの直系尊属から1,500万円以内が非課税です。学費だけでなく、習い事や留学時の渡航費にも使えます。
⚠️ なお、この制度は令和8年3月31日をもって廃止となりました。

【住宅取得等資金一括贈与の非課税措置】
子どもや孫が住むための家を購入、または増改築に必要な費用を援助する場合に適用されます。非課税限度額は省エネ等住宅の場合は1,000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までです。

それぞれ贈与前に条件を満たすかどうかを確認することが大切です。

⑤特定障害者に対する贈与税の非課税措置

特定障害者の方に贈与する場合は、特定障害者に対する贈与税の非課税措置が利用できます。

この制度は直系卑属でなくてもおこなえる点が特徴です。非課税額は特別障害者であれば6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者は3,000万円までが対象となります。

方法は組み合わせることでさらに大きな効果が出る

ここまで紹介してきた方法は、組み合わせて利用することもできます

たとえば、直系尊属からの住宅取得等資金一括贈与の非課税措置(上限1,000万円)と、相続時精算課税制度(限度額2,500万円)を組み合わせて使うことが可能です。そうすると、最大で2,500万円+1,000万円=3,500万円まで、贈与税ナシで贈与できることになります。

お子さんやお孫さんに贈与税を払わせることなくサポートしたいと考える方は、ぜひ合わせ技も検討してみてください。

まとめ 贈与税がかからない家族へのお金の渡し方

今回ご紹介した内容をまとめます。

【そもそも贈与税がかからないケース(4つ)】

  • 扶養義務者からの生活費・教育費
  • 社会通念上必要なものの贈与(お祝い・香典など)
  • 要件を満たした借金の肩代わり
  • お金の貸し借り(借用書を作成)

【ルールを活用して贈与税をゼロにする方法(5つ)】

  • 暦年課税の年間110万円枠を使う
  • 相続時精算課税制度の2,500万円の枠を使う
  • 夫婦間の贈与で配偶者控除(おしどり贈与)を利用する
  • 時限立法(特例制度)を利用する
  • 特定障害者に対する贈与税の非課税措置を検討する

我が家の場合はどの方法をとるのが有効なのだろう……とお悩みの方は、当事務所でも個別のご相談を承っておりますので、お問い合わせフォームからぜひご連絡ください。