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経営者が最低限抑えるべき税務・労務の年間スケジュール2〜労務の年間スケジュール

こちらの記事は、中小企業の会社経営者、経理担当者向けです。

税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

経営者や経理税務担当者が、最低限知っておくべき税務や労務手続きの年間スケジュールについて、全4回に分けてお送りしています。

今回はその2回目。労務のスケジュールについてお話しします。

きむら

労務の手続きを把握するコツですが、分野別、かつ、スケジュールのタイミング別におさえるといいですよ。それでは、早速見ていきましょう!

分野別・労務の手続きにはこんなものがある

雇われる側から雇う側になってびっくりするのは、労務に関する仕事の多さです。

私自身、2000年に開業してから2011年まで人を雇用していましたが、雇用する段になって改めて、勤めていた事務所の総務担当者の偉大さを身をもって知りました(;’∀’)

それくらいやるべきことが多いのです。

ざっと挙げると、次のような業務が必要になります。

社内で行う手続き
  • 人事評価
  • 定期昇給
  • 有給管理
  • 残業管理
  • 給与計算
  • 産休育休対応
  • 健康診断 など
年金事務所に対して行う手続き
  • 入社・退職手続き
  • 算定基礎届提出
  • 月額変更届提出
  • 賞与届提出
  • 社会保険料・厚生年金保険料納付
  • 被扶養者資格の再確認
MEMO
年金事務所に対して行う手続きとは、役員や従業員の健康保険や厚生年金保険に関する各種手続きになります。
健康保険(介護保険を含む)は、従業員およびその扶養家族の家族病気・ケガの治療費、介護といったリスクに備えるもの、厚生年金保険は、遺族の生活保障、障害状態の生活保障、老後の生活保障に備えるものです。
労働基準監督所、ハローワークに対して行う手続き
  • 入社・退職手続き(ハローワーク)
  • 高齢者・障害者雇用状況報告書の提出(ハローワーク)
  • 労働保険料申告書提出と労働保険料の納付(所轄の労働基準監督署または労働局、金融機関)
MEMO
ハローワークに対して行う手続きは、雇用保険に関する各種手続きになります。
労働基準監督署に対して行う手続きは、労災保険に関する各種手続きになります。
雇用保険は、失業手当や職業訓練などの費用に備えるものです。労災保険は、業務にかかわる病気やケガ、休業中の生活保障に備えるものです。
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労務のスケジュール、3つの種類

次に、これらの労務手続きがどのようなスケジュールで行われるのか、説明します。

労務の手続きは

・毎月行うもの
・毎年同じ時期に行うもの
・事由が生じた場合にその都度行うもの

があります。

では、この3種類、1つずつ解説していきます。

毎月行うもの

有給管理(社内)
残業管理(社内)
給与計算(社内)
健康保険料・厚生年金保険料納付(年金事務所)

社内の給与計算に関わる業務がその大半です。

社会保険料・厚生年金保険料の納付は、自動引き落としにすればそんなに手間ではありません。

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毎年同じ時期に行うもの

まず、会社によって実施時期は変わりますが、おおむね年に1回行われる手続きには次のようなものがあります。

人事評価(社内)
定期昇給(社内)
健康診断(社内)
有効期限が過ぎる36協定の再締結(社内)

次に、役所に対して年に1度行うものです。労務に欠かせない重要な法定手続きばかりです。簡単にその実施時期と内容を書いておきます。

賞与支払後 賞与届提出(年金事務所)賞与を支払ったら5日以内に届け出ます。この届出を基礎に、賞与に係る健康保険と厚生年金保険の額が決まります。

賞与に係る保険料の納付は、毎月の納付額に含められて、後日徴収(引き落とし)されます。

7月 算定基礎届提出(年金事務所)毎年4月から6月の給与額等を基準に、役員・従業員の報酬月額を届け出て、標準報酬月額を決定します。この標準報酬月額を基礎に、健康保険と厚生年金保険の額が決まります。

6月1日から7月10日 労働保険料申告書提出と労働保険料の納付(所轄の労働基準監督署または労働局、金融機関)…前年4月1日から今年の3月31日までの支払給与額等を基準として、申告をします。

申告の際に、概算保険料と、申告済み概算保険料と確定保険料の差額を、併せて納付します。

労働保険の納付は、原則7月10日に一括納付しますが、概算保険料が40万円を超える場合には、年3回に分納することも可能です。その場合の納付のタイミングは、次のようになります。

1回目 … 7月10日
2回目 … 10月31日
3回目 … 1月31日

7月 高齢者・障害者雇用状況報告書の提出(ハローワーク)…毎年6月1日現在の高年齢者および障害者の雇用状況を、所轄のハローワーク(一部地域では労働局)に提出します。

9月頃 被扶養者資格の再確認(年金事務所)…健康保険の被扶養者となっている人が、現在もその状況にあるかの確認手続きです。送付されてくる書類に所定の事項を書いて返信します。

36協定の更新(労働基準監督署)…残業や休日勤務に関する労使協定である「36協定」は、労働基準監督署に届け出た時点から、有効となります。

このため、協定の有効期間の開始までに協定を再締結し、届出を出さなくてはなりません。

有効期限が過ぎた36協定は無効となるので、有効期間を1年とした場合、毎年の届出(更新)が必要になります。

注意
これを見てもわかるとおり、労務の重要な手続きは6月と7月に集中しています。
労働保険料の申告書作成手続きは4月から準備できますので、4月以降、余裕がある時期に前もって準備しておくことを心がけるようにしましょう。

事由が生じた場合にその都度行うもの

最後に、事由が生じたらその都度対応する手続きです。

入社・退職手続き(年金事務所)
入社・退職手続き(ハローワーク)
産休育休対応(社内)
月額変更届提出(年金事務所)

この中でも一般的によくある手続きで、うっかりすると忘れてしまうのが月額変更届です。

健康保険と厚生年金保険の額は、毎年7月に行う算定基礎届により決まりますが、固定給が2等級以上変動し、その状態が連続して3か月続いた場合には、月額変更届を提出し、保険料の変更手続きを行います。

きむら

アラームのしかたを工夫するなどして、月額変更届を提出し忘れないように気をつけましょう!

まとめ

経営者が知るべき税務・労務の年間スケジュール、第2回「労務の年間スケジュール」について

・分野別
・毎月行うもの
・毎年同じ時期に行うもの
・事由が生じた場合にその都度行うもの

と順を追って説明しました。

▼36協定の有効期間の開始日が4月1日、賞与支払いが6月と12月とした場合の対外的な労務手続きについてまとめると、このような年間スケジュールになります。

年金事務所 ハローワーク
労働基準監督署
納付
1月 ☆健康保険料・厚生年金保険料納付(毎月。以降☆として記載)
・労働保険料の納付(3回目)
2月
3月 ・36協定更新(労働基準監督署)※
4月
5月
6月 ・賞与届提出
7月 ・算定基礎届提出 ・労働保険料申告書提出(労働基準監督署)
・高齢者・障害者雇用状況報告書の提出(ハローワーク)

・労働保険料の納付
8月
9月 ・被扶養者資格の再確認
10月
・労働保険料の納付(2回目)
11月
12月 ・賞与届提出

その他、事由が生じた場合にその都度行うもの
・入社・退職手続き(年金事務所、ハローワーク)
・月額変更届提出(年金事務所)

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今日のつぶやき&次回のブログ更新は

服部慎也さんのツイッターやブログnoteが面白いのですが、最近YouTubeもスタートしました。10分以内の動画ばかりで移動中や寝しなに聴くのにちょうど良いです。

服部さん、文章だとちょっと尖った怖い印象を持つ方が多いようですが、前から「根は優しい人なんだろうな〜」と感じていました。

動画で喋り方とか表情を拝見して、やっぱりその通り怖いだけの人ではないと確信しました(^^)

きむら
次回のブログ更新は、地方税共通納税システムについて!