きむら あきらこのセミナー情報

家族に給与を払いたい!そんなあなたに送る「青色事業専従者の給与の基礎知識」【確定申告】

こちらは、家族に給与を払うことを検討している・現に支払っている個人事業主の方向けの記事です。

税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

青色事業専従者の給与について、知っておいてほしいことをまとめてみました。

きむら

「個人事業主自身が合計所得金額38万円以下になったら、専従者の扶養親族になれるんですよ!」←特にこれは声を大にして叫びたい!

青色事業専従者に給与を払って赤字に!税務署に睨まれない?

きむら

おや、個人事業主さん、どうされました?なんだか浮かない顔ですね。
昨年は、さっぱり商売がふるわなくて。青色事業専従者の妻に給与を支払ったら、赤字になっちゃったんだよ。
ところで、このまま申告すると、税務署から「青色事業専従者給与を支払って赤字になるなんて!」と、にらまれたりしないのかな?

個人事業主

なるほど。身内に給料を払って赤字になっただけに
税務署に利益操作を疑われそうで、ちょっとビクビクしますよね。

答えは、青色事業専従者の給与額が適正額ならば、その年が赤字となったとしても、税務上はなんら問題ありません。

きむら

あ!それどころか、専従者である奥様の税金が、一部戻ってくるかもしれませんよ!
えっ、そうなの?それは朗報だな!

個人事業主

では、早速、順を追って解説しましょう!

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青色事業専従者の給与について知るべき最低限のルール

青色申告者である個人事業主のお仕事を手伝ってくれる同一生計親族は、青色事業専従者になることができます。

そして青色申告者が青色事業専従者に払った給与は、事業所得や不動産所得の必要経費になります。

え?給与って、普通経費になるもんじゃないの?ですって?

きむら

それが、同一生計親族に給与を払う場合は、そうはいかないんです!
MEMO
所得税では、生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金は、必要経費になならないのが原則。つまり、同一生計の親族に給与を払って所得を圧縮することは、できないということ。
その唯一の例外にして経費算入がOKなのが、青色事業専従者に支払う給与なのです。

青色事業専従者の給与の要件

青色事業専従者とその給与の要件は次のとおりです。

  1. 事業主と生計を一にする配偶者その他の親族
  2. 確定申告対象年の12月31日現在で満15歳以上
  3. 申告者の経営する事業に期間の2分の1を超えてもっぱら従事していて
  4. 申告者等の配偶者控除・配偶者特別控除、あるいは扶養控除の対象となっておらず
  5. 税務署に青色事業専従者給与に関する届出書を提出していて
  6. その給与の額が職務内容、収益の状況などを考慮して適正な金額であること

手続き的には届出が必要で、届出書の提出期限は次のとおりです。

・新規開業の場合・・・開業後2ヶ月以内
・はじめて事業専従者を雇う場合・・・雇用日から2ヶ月以内

また、青色事業専従者の給与額を変更する場合も届出が必要ですが、その期限は「変更日から遅滞なく」となっており、厳密に期限が定められているわけではありません。

青色事業専従者の給与のルールについて抑えておくべきは、これだけと言ってもいいでしょう。

参考 [手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続国税庁 参考 [手続名]青色事業専従者給与に関する変更届出手続国税庁

事業主は、専従者の扶養親族になることができる!

このルールにのっとって給与を支払っている限り、個人事業主の所得が赤字になったとしても、給与が否認されることは、まず、ありません。

また、個人事業主の合計所得金額が38万円を切るような場合には、専従者の扶養親族になることができるんですよ!

ええっ?!「専従者は扶養にできない」って教わったよ??

個人事業主


きむら

はい!専従者は扶養親族にはできないけれど、その逆はOKなんです!

意外ですよね!

個人事業主のみなさま、合計所得金額が38万円を切ったら、
自分を専従者の扶養親族とすることで、
専従者が還付申告にならないかご検討をお忘れなく!

(白色申告の事業主と事業専従者に対しても、適用することが可能です。)

扶養親族になるのは気恥ずかしいが…。妻の所得税が還付になるなら、背に腹はかえられないな!

個人事業主

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青色事業専従者の実務で気をつけたいポイント

青色事業専従者の給与について、実務上気をつけたいのは、次のような点です。

  • 青色事業専従者の給与が未払いの場合は、適正額であっても、否認される可能性が高いので要注意。
  • 金額を変更する場合は「遅滞なく」とあるので、例えば、今年から給与額を変えたのであれば、確定申告書の提出と合わせて届出書を提出する(例:30年度確定申告→31年度の専従者給与の提出)。
  • 青色専従者給与の枠をあらかじめ大きめに設定(届出)しておき、後で減額するのはあり。

くれぐれも適正給与額であることがポイントですから、過大給与にならないようにご注意を。

まとめ

きむら

青色事業専従者に給与を払って赤字になっても、給与が労働の対価として適正額で、未払でなければ、なんら問題はありません。
その場合、事業主自身が専従者の扶養親族になれる可能性があります(合計所得金額が38万円以下の場合)。これ、けっこう見落としがちなんで、もしそうなったら専従者の還付申告を検討しましょう!