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所得税の税率のよくある勘違い〜超過累進税率を正しく理解しよう!

所得税の超過累進税率を正しく理解しよう

こちらの記事は、税金についてこれから学びたいという方向けです。

時間・行動・お金をコントロールする術を、ブログでお伝えしています。税理士で逆算手帳・認定講師のきむら あきらこ(@k_tax)です。

日本の所得税は、累進税率を採用し、所得が高くなればなるほど税率が高くなります。

きむら

となると、所得によって税金が高くて損になるようなことがあるのでしょうか?
今日はそのあたりを、わかりやすく解説いたします。

所得税の税率は累進税率

個人のもうけに課される日本の税金として、最も負担額が大きいのが所得税です。今日はその所得税の税率に関するおはなしです。

日本では「累進税率」といって、所得が多い人ほど課せられる所得税率が段階的に高くなるという仕組みをとっています。「累進税率」を採用することで、納税者の支払い能力によって、公平な税負担となるようにしているわけですね。

相続税や贈与税などもこの方式をとっています。

一方で、株式や不動産の譲渡益などには一律の税率で所得税が課せられています(分離課税方式)。また、個人の住民税は一律10%の固定税率になっています。

このように税金の種類によって税率は異なっています。

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累進税率だと、儲けると損をする?

さて、所得税の税率は、次のようになっています。

所得の区分 税率
195万円以下  5%
195万円を超え330万円以下 10%
330万円を超え695万円以下 20%
695万円を超え900万円以下 23%
 900万円を超え1,800万円以下 33%
1,800万円を超え4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

これを見て

ええっ!!ということは
195万円の所得だと、195万円×5%=所得税は9万7,500円
196万円の所得だと、196万円×10%=所得税は19万6,000円
ということ?
働けば働くほど損みたいで、イヤだなー。

「だったら、所得は195万円以内に止めるか」と。こう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。実際、そういった質問を受けることもあります。

きむら

実は私も、この業界に入る前は、そう思っていました!

これが所得税の「超過累進税率」のしくみ

実際は、所得が195万と196万の人がいたとして、所得が高い196万の人の手取りが低くなるというような「逆転現象」は起きないよう、税法では配慮がなされています。

上記の税率の表ですが、例えば、所得が1,000万円の人であれば、「1,000万円×33%=330万円」と計算するのではなく

195万円以下の部分に対して 5%
195万円を超え330万円以下の部分に対して 10%
330万円を超え695万円以下の部分に対して 20%
695万円を超え900万円以下の部分に対して 23%
900万円を超え1,000万円まで の部分に対して 33%

というように、所得を区分して、それぞれの区分に応じた税率を乗じて計算します。

▼図解をすると、このように計算します。

つまり・・・

所得の区分 税率
195万円×5%= 97,500円
(330万円−195万円)×10%= 135,000円
(695万円−330万円)×20%= 730,000円
(900万円−695万円)×23%= 471,500円
(1,000万円−900万円)×33%= 330,000円
合計 1,764,000円

合計176万4千円が、所得税の額になります。

MEMO
日本の所得税は、課税総所得金額の区分ごとにその区分に応じた税率を適用し、区分を超過する所得については、その超過金額に対してその区分の税率を適用する税率システムをとっています。
このシステムを「超過累進税率」といいます。
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計算に便利な「所得税の速算表」

このように、個人の所得を段階的に区分して、税率を当てはめるのが超過累進税率の仕組みです。

しかし、これでは計算がとても大変ですよね。

そこで、登場するのが「速算表」です。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下  5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
 900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

この速算表の「控除額」とは、所得が1,000万円の人で言うと、この図の網掛け部分のこと。

▼つまりこの「速算表」は、いったん「所得全体×その区分の税率」で計算(1000万円×33%)し…

そのあとで、「他の区分の税率との差額(1,536,000円)を控除」するというもの。

速算表を使えば、区分ごとの計算をせずに、一発で税額が出る仕組みになっているというわけです。

まとめ

最後に、この「速算表」を使って、先の所得195万と196万の人の所得税を計算してみましょう。

195万円の所得だと、195万円×5%=所得税は9万7,500円
196万円の所得だと、196万円×10%−97,500円=所得税は9万8,500円

税引後の手取り額の逆転現象は起きないことが、おわかりいただけるかと!

きむら

「年収が高くなると税率が高くなり損だ」と思われがちですが、いきなりグンと税金の額が上がったり、所得の高い人の手取りがかえって下がるようなことは、税金計算の上では(※)ありません。

※配偶者の所得や社会保険などの他の要因が絡むと、所得が高くなることで、かえって手取りが少なくなることはありますが、ここでは話をシンプルにするため、税金計算に絞って解説しました。

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きむら