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脱・縦割り「税務行政の将来像」近未来の税務行政はこうなる!国税庁資料より

税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

6月20日、国税庁ホームページ上に“「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況~スマート税務行政の実現に向けて~(PDF/3,564KB)”がアップされました。


こちらは、平成29年6月に国税庁が公表した「税務行政の将来像」の内容のうち、実現したものや、今後の課題を整理したものです。

きむら

そして、これを見ると、近未来の税務手続きがどうなるのかも分かるので、読んでいて興味深いんですよ!

これから数年間、申告や納税などの税務手続きは、どのように変わっていくのでしょうか。「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況の中身を、早速見てみましょう。

個人編

スマホ確定申告がより便利に(令和2年1月〜)

今年(平成31年1月)から、スマートフォンやタブレットから国税庁ホームページの確定申告書の作成システムにアクセスすることで、スマホで確定申告ができるようになりました。

来年(令和2年)以降、スマホ等で利用可能な手続が、さらに増えます。

また、同じく来年以降、マイナンバーカード読取機能を搭載したスマホを使えば、マイナンバーカードの電子証明書を用いたe-Tax送信が可能になります。

年末調整が簡単に〜年末調整ソフトウェアを無償提供(!)(令和2年10月〜)

個人的に、最も「画期的だ!」と感じたのが、年末調整ソフトの無償提供です。

このソフト、年末調整の還付額を計算する給与計算側のソフトではなく、従業員側向けのものです。

次の書類の作成について対応予定とのこと。

そりゃそうですよね〜。昨年このブログに「年末調整特集」を書いていて、一般の方があの申告書を間違いなく手書きで書くのは、相当困難だろうと感じましたもの…。

とはいえ、数字を入力したりチェックするのにも「知識」は必要です。だから「年末調整特集」の連載は続けていくつもりです。

とにかく、国側がソフトを提供するのは画期的なことなので、素直に評価したいです。

国税庁資料より。国税庁も「いらすとや」の素材を使っていることにびっくり。

このソフトを使えば、保険会社等から入手した控除証明書等のデータを取り込み、控除申告書データを作成し、勤務先にオンライン提出も可能とのこと。

あとは、使い勝手がどんなものなのか、早く確認してみたいものです。リリースを待ちたいと思います。

控除証明書等の情報をマイナポータルで一括入手(実施時期未定)

年金、医療費、寄付金、保険料などの様々なデータをマイナポータル経由で一括入手(マイナンバーカードで認証)し、それらを確定申告書に自動入力できる仕組みの実現に向けて、検討をしているのだとか。

これが実現すれば
「控除証明書をなくした!」
「医療費のレシートが見つからない!」
といったトラブルとは無縁になりますね。

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法人(会社)編

税務における地方公共団体等との連携・協調など(令和2年3月、4月)

法人(会社)税務については、次のような環境整備が行われるとのこと。

  • 法人税申告書に添付する財務諸表のデータ形式を柔軟化(令和2年4月以後の申告から)
  • 添付書類の提出方法の拡充(光ディスク等による提出)(令和2年4月以後の申告から)
  • 国・地方を通じた財務諸表の提出先の一元化(令和2年4月以後の申告から)
  • 法人税及び地方法人二税の共通入力事務の重複排除(令和2年3月以後の申告から)

地方公共団体等との連携・協調を進める方針のようです。

そして、令和元年10月から、地方税共通納税システムが始まります。

地方税共通納税システムがスタート(2019年10月より)従来との違いは?何が便利になったの?

「税務行政の将来像」では、「今後は国と地方団体が協力して利用勧奨することで、納付手段の更なる多様化・キャッシュレス化の推進についても検討していく」とも、うたわれています。

企業が行う手続のオンライン・ワンストップ化〜祝!脱・縦割り行政(令和元年度〜令和2年11月頃)

個人的に、年末調整ソフトの無償提供と同じくらい「画期的だ!」と感じたのが、このワンストップ化です。

令和元年度中に、法人設立後の手続についてワンストップサービスを開始し、令和2年度中には、設立時の手続(定款認証・設立登記)も含めてワンストップになるとか。

また、企業が行う従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続等について、令和2年11月頃から、順次、マイナポータルのAPIを活用したオンライン・ワンストップ化を開始するとのこと。

国税庁資料より。もう「縦割り」とは言わせない。国の本気?を見た。

こうなると、士業は設立手続き等で稼げなくなりそうですが、私個人的には、祝!脱・縦割り行政。手続きをする側の使い勝手を考えれば、これは大変便利だと感じています。

まとめ

以上、「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況から、主要な部分をピックアップしてご紹介しました。

その他にも、国税庁ホームページにチャットボットを設置したり(令和2年度中)、調査選定にAIを活用するというところが、興味深かったです。

ところで、こう便利になってくると、よく聞くのが
「税理士も商売あがったりでしょ?」
という言葉。

しかし、便利になるということは、税理士の業務もラクになるということ。

その分、他の仕事(相談や分析)に時間や手間を振り分けられますし、年末調整のところでも少し書きましたが、結局、入力したり操作をする上でも「知識」って絶対に必要なんですよね。

だから、その「知識」をわかりやすく解説する役割は、今後、税理士により強く求められることになるのではないでしょうか。

また、これらのシステムの使い方・活用のしかたをアドバイスするという「仕事」は新たに生まれるわけでして。そのあたりを見越して、自分の腕とアタマを磨いていくことが必要なのだろうな、と。

楽観はできないけれど、必要以上に悲観することもないと感じています。

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