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医療費控除の還付は「過去5年間分受け付けてもらえる」この正しい意味知ってますか?【確定申告】

こちらの記事は、医療費控除の還付を過去に遡って受けたいと考えている方向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

医療費控除の還付って、過去5年間分受け付けてもらえるんですよね?

確定申告に関して、よく受ける質問の1つです。

税理士きむら

この「過去5年間分受け付けてもらえる」というのは、正解といえば正解ですが、正しく理解していないと、手続きを間違えてしまうことになりかねません。

そこで、医療費控除の還付ができる期間について、わかりやすくまとめてみました。

よろしければ、最後までお付き合いください。

その年の医療費は、その年の控除にしか使えない

その年の医療費が10万円(※)を超えると、一定の額を所得から控除することができます。これが医療費控除です。

(※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)

誰もが知っている、馴染みのある控除ですよね!

そしてこの医療費控除を受けるのを失念していた場合には、過去5年分まで遡って、申告のし直しをすることができます。

これも、けっこう知られていることです。

ところが、確定申告の無料相談の当番などをしていて
「医療費控除は、過去5年間分は受け付けてもらえる」というのを、
「ある年の医療費が10万円以下でも、過去5年間の医療費が通算10万円を超えれば、医療費控除を受けることができる」
と勘違いしている方がかなり多いことに気づきました。

しかし!残念ながら、その年の医療費は、その年の医療費控除にしか使えません。

つまり、平成29年の医療費は平成29年の控除に、平成30年の医療費は平成30年の控除にしか使えません

注意
何年分の医療費になるかは、医療費の領収書の日付(=支払った日の日付)が基準となります。

申告書を「出していない人」と「出している人」では、手続きが違います

過去の医療費控除のし忘れに伴う、申告のし直しですが、申告書を出していない人と出している人では、提出する書類も期限も違います。

申告書を出していない人の医療費の控除し忘れは「還付申告」

年末調整をしたサラリーマンのように、確定申告義務がなく、それまで申告書を出していなかった人が、過去の年分の医療費控除のし忘れに気づいた場合には、「還付申告」をすることになります。

この還付申告できる期間は、「申告をする年分の翌年1月1日から5年間」なので、2019年(平成31年)現在でいうと、平成26年分〜平成30年分の医療費の還付申告はできますが、平成25年分の医療費の還付申告はできないことになります。

注意
平成26年分の医療費の還付申告をしたい場合、2019年(令和元年)12月31日がタイムリミットということです。

既に申告書を提出している人の医療費控除し忘れは「更正の請求」

このように、遡って還付申告できるのは、その年分の所得税について、まだ申告をしていない場合に限られます。

では、個人事業主など既に確定申告をしている人が、医療費控除を失念していたことに気づいた場合は、どうすれば良いのでしょうか。

その場合は、申告書の出し直しではなく、「更正の請求」という手続きをします。

参考 [手続名]所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続国税庁

「更正の請求」とは、確定申告にもとづいて納めた税金が多すぎた場合に、税務署に対して、払いすぎてしまった税金を返してもらうために行う請求手続きです。

この「更正の請求」ができる期間は、「その年分の申告期限から5年間。つまり、平成26年分の「更正の請求」ができるのは、2020年(令和2年)3月15日までになります。

税理士きむら

平成26年分の医療費控除については、申告をしていなかった人の還付申告の期限は2019年の年末ですが、更正の請求であれば、2020年(令和元年)3月15日まで可能ということ。同じ「5年」でも期限が違います。お気をつけください!
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「還付申告」「更正の請求」は他の控除し忘れにも使える

5年間遡ることができる「還付申告」や「更正の請求」は、医療費控除だけではなく、他の所得控除の控除漏れがあった場合にも使えます。

MEMO
更正の請求は、そのほか、「売上を過大に計上してしまっていた」「計上していなかった経費があった」といった、申告誤りにも使うことができます。

まとめ

税理士きむら

「5年間遡って還付を受けることができる医療費控除」と一口に言われますが、申告していない人・既にしている人で、手続きも違いますし、申告(請求)期限も違います。気をつけましょう!

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