こちらは、令和元年の年末調整の書類を記入する、サラリーマン・バイト・パートの方向けの記事です。
令和元年の年末調整に関する記事は、こちらからまとめ読みすることができます。
小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。
毎月の給料から所得税・復興特別所得税が天引き(源泉徴収)されていますよね。
さらに年末になると、年末調整をすることになります。
税理士きむら
年末調整はサラリーマンの「プチ確定申告」
個人事業主は、自分で収入、経費、所得、税金の計算をし、確定申告をして所得税・復興特別所得税(所得税等)を納税します。
一方、サラリーマンの場合は、勤め先が1年間の給与から税金の計算をし、すでに給料から天引き(源泉徴収)されている所得税等の合計額との精算をすることで、所得税等の納税をします。
これが年末調整です。
年末調整は、いわば、サラリーマンのプチ確定申告なのです。
どうして年末調整は必要なのか
ところで
サラリーマン
と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
お給料からは、源泉徴収税額表に基づいて、給料の額・社会保険料・扶養親族等の数に応じた所得税等が源泉徴収されることになっています。
ところが、源泉徴収された税額の年間のトータル額は、給与の年間総額について納めるべきその年の所得税等の税額とは、ふつう一致しないものなのです。
どうして源泉徴収された総額と、その年の税額は一致しないのでしょうか?理由は大きく分けて3つあります。
- 源泉徴収税額表は、「毎月の給与の額は変動しない」「賞与は年5ヶ月分支給される」ということを前提として作成されています。しかし実際には、給与の額は変動するし、賞与もそうでないケースが多いからです。
- 年の途中で結婚したり子供が産まれるなどして扶養親族等の人数に変更があった場合、変更後の源泉徴収税額は変わりますが、変更前の源泉徴収税額までは、さかのぼって修正しないからです。
- 年間の税額を計算する際は各種の所得控除を考慮しますが、それらの控除額を計算するのに必要な、扶養親族等の年齢、生命保険料・地震保険料の額、配偶者の年収など、年末にならないとわからない事情については、源泉徴収税額表では考慮されていないからです。
毎月源泉徴収されていた所得税等は、あくまで概算。いわば所得税等の仮払いなんです。
だから、年末調整でその年の正しい税額をキッチリ計算し直して、仮払いの税金を精算をする必要があるんですね
■ スポンサー広告 ■年末調整で「還付」と「徴収」がある理由
だから、年末調整でその年の正しい税額をキッチリ計算し直して、仮払いの税金を精算をする必要があるんですね。
というわけで
仮払い>その年の正しい税額 ならば還付になります。
仮払い<その年の正しい税額 ならば徴収になります。
サラリーマン
そう思っていらっしゃる方も多いのですが…
年末調整で還付にならない場合
- 年の中途で扶養人数が減った
- かなりの昇給があった
- 賞与金額が異常に高い など
こういった場合には、最後は還付ではなく徴収ということもありえます。
税理士きむら
そして、ほとんどのサラリーマン・バイト・パートの方は、年末調整で納税が終了するので確定申告をする必要はありません。
ただし、
- 医療費控除など年末調整で受けられない控除を受けるとき
- 住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン減税)の初年度
- 別の収入が一定額以上あるとき
このような場合は、年末調整だけではその年の税額が確定しないので、確定申告をすることになります。
まとめ
税理士きむら
年末調整というと「還付」になるイメージを持たれているかもしれませんが、場合により「徴収」になることも。「徴収」になったら、遠慮なくお勤め先に聞いてみるようにしましょう。