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税法用語の意味がわかるブログ(13)「納税証明書」

こちらは、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けの記事です。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

不定期連載「税法用語の意味がわかるブログ」第13回目です。

会社を経営していると、外部の利害関係者から、「納税証明書を取ってきて」とお願いされることもあるかもしれませんね。

きむら

ひとくちに「納税証明書」と言っても、色々な種類があります。そこで今回は、納税証明書をお願いされた時の注意点を中心に、まとめてみました。

納税証明書とは

納税証明書とは、確定申告書等を提出した場合の納税額・所得金額・未納の税額がないことを、税務署等が証明書する書類です。

例えば、会社が銀行に融資の申し込みをすると、必ずと言っていいほど納税証明書のお願いをされます。

こうお話しすると
「でも、納税額や利益は、決算書や申告書を見ればわかるんじゃない?」
と思われるかもしれませんね。

でも
もしもその決算書を改ざんしていたとしたら…。
申告書等はホンモノでも、納税額を滞納していたとしたら…。

そこで、銀行は納税証明書の提出を求めるのです。なんだか疑われているみたいでいやな気持がするかもしれませんが、銀行は信用に基づいて融資をするので、これはしかたのないことですね。

つまり納税証明書とは、所得や納税事績についての、いわば公(おおやけ)の「お墨付き」です。

納税証明書をお願いされたら、種類等の事前確認が大事!

納税証明書をお願いされたとき、よくよく確認してほしいのが「納税証明書の種類」です。

まず、納税証明書は大きくわけて、国税(税務署)のものと地方税(都道府県税事務所や市区町村役場等)のものとがあります。

たとえば会社が東京都の助成金を申請するとき、納税証明書の発行を求められた場合には、おそらくそれは、都道府県民税である、法人事業税や法人都民税の納税証明のことです。

それなのに税務署発行の証明書をとってしまっては、労力も費用もムダになってしまいます!

発行を求められたときは必ずその内容を確認し、発行窓口・種類を間違えないように気を付けましょう。

ちなみに国税の場合は、必ず所轄の税務署でないと発行してもらえませんが、たとえば東京都の場合はどこの都税事務所に行っても納税証明を発行してもらえます。

このように、地方税の納税証明の場合には発行窓口を確認すると、より近場の事務所で交付を受けられる可能性があります。

また、今はオンラインで交付請求もできます。その場合は手数料が30円安くなるので、オンライン請求のしかたも、ぜひ、確認しておきましょう。

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納税証明書の種類(国税)

種類 内容 手数料
納税証明書その1 納付税額等の証明 税目数×年度数(×枚数)
×400円
納税証明書その2 所得金額(利益)の証明
納税証明書その3 未納の税額がないことの証明 (枚数×)400円
納税証明書その3の2 所得税・消費税及び地方消費税の未納税額がないことの証明
納税証明書その3の3 法人税・消費税及び地方消費税の未納税額がないことの証明
納税証明書その4 滞納処分を受けたことがないことの証明

納税証明書を取りに行く際に注意したいこと

持参物

納税証明書をいざ取りに行くという時に注意したいのが、まず、持参物です。

代表者が、会社の証明書の交付を窓口で受ける場合は、次の4つが必要になります。

代表者が会社の納税証明書を取得する際の持参物

代表者ではなく、経理担当者など代理人の方が会社の証明書の交付を受ける場合は、次の5つが必要になります。

代理人が会社の納税証明書を取得する際の持参物

  • 納税証明書交付請求書(窓口にもありますが、国税庁のサイトからダウンロードもできます
  • 法人代表者の委任状
  • 代理の者(経理担当者)の印鑑(シャチハタ以外であれば大丈夫)
  • 代理人本人であることを確認できる書類(免許証等)
  • 手数料

申告・納税直後の場合

そしてもう1つ注意したいのが、申告又は納税直後は、納税証明書を発行できない場合があるということ。

その場合は、申告書や納税領収証書の控を持って行き、窓口で少々待てば、発行してもらえます。

まとめ

きむら

納税証明書の依頼をされたら、まずはどの納税証明書をご所望なのか、相手に確認しましょう。
次に気をつけるべきが、税務署や役所へ持参物。
あと、申告や納税をした直後の場合はすぐには発行されないので、申告書や納税領収証書の控えを持参し、時間に余裕を持って窓口に行きましょう。
そして今は、オンラインで交付請求もできますよ!

※「税法用語の意味がわかるブログ」は、研修出版「月刊経理ウーマン」に連載中の「税法用語の意味がわかる辞典」をリライトして記載しています。

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