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税法用語の意味が分かるブログ16「資本金」「資本金等」

こちらは、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けの記事です。

時間・行動・お金をコントロールする術を、ブログでお伝えしています。税理士のきむら あきらこ(@kimutax)です。

不定期連載「税法用語の意味がわかるブログ」第16回目です。

きむら

税務に携わっていたり、会社を経営していると、「資本金」「資本金等」を意識する機会が多くなります。
というのも、これらの額の大小により、適用される税務取扱いが変わることが多いからです。

資本金と資本金等の違い

「資本金」とは、会社設立時、株主から会社に対して
「活動のために使ってください。そして儲かったら配当を下さい」
ということで出してもらう「もとで」のことです。

従って資本金の額が大きいほど、会社の規模が大きいといえます。

次に「資本金等」です。これは「資本金」と「資本積立金」の合計額を意味します。

「資本積立金」は税法上非常に多岐にわたり、合併等の企業再編を行い税務上の調整がある場合には非常に複雑かつ難解になりますが、基本的には「資本積立金=資本準備金」と考えればOKです。

従って「資本金等=資本金+資本準備金」ということになります。

資本準備金とは
会社は、資本の払い込みを受ける際、資本金の1/2を超えない額を「資本準備金」として積み立てておくことができます。
払い込まれた全額を資本金として計上するのではなく、資本準備金として積み立てておくことにより、会社の業績が悪化した場合など、欠損填補により柔軟に使える等のメリットがあります。

会社の規模が大きくなればなるほど税負担大に

税法では、会社の「資本金の額」や「資本金等の額」が大きくなればなるほど、税負担が重くなるよう規定しています。

これは会社の規模により差をつけようという趣旨によるものです。

つまり
「大きな会社ほど、多くの税金を負担できるだろう」
という考えに基づくもので、規模の判定に「資本金」や「資本金等」を用いるというわけです。

もしもみなさんの会社が、増資等により資本金の額を増やすという場合には、どれくらい税負担が増えるのか、事前に確認をしておく必要があります。

税負担の分岐点は「資本金1億円」

この税務における会社規模の判定の際のポイントが、「資本金」の額で判定するのか「資本金等」の額で判定するのか、間違えないようにすることです。

そこで主要な税制について、どちらで判定するのか概要をまとめてみました。

金額 「資本金」の額を
判定要素・算定要素とするもの
「資本金等」の額を
判定要素・算定要素とするもの
1億円超 ・留保金課税の適用
・欠損金の繰越控除の制限
・事業税外形標準課税適用
・寄附金の損金算入限度額
※資本金等の金額が大きくなればなるほど限度額は大きくなるので、これは納税者有利
・法人住民税の均等割額・外形標準課税の資本割

 

 

 

 

1億円以下
・法人税率の軽減税率(年所得800万円まで)
・留保金課税の不適用
・特別控除・特別償却
・欠損金の繰戻還付
・貸倒引当金の繰入に関する優遇
交際費の損金不算入制度の優遇
・事業税の外形標準課税不適用
1千万円未満 新設法人の消費税の免税

こうしてみると、「資本金1億円以下」というのが、ひとつの目安ということがわかります。法人税の軽減税率適用、留保金課税の不適用、外形標準課税の不適用によりかなりの節税効果が期待できるので、「資本金1億円以下」に留める企業は非常に多いです。

注意
資本金5億円以上の会社の100%子会社は、期末資本金が1億円以下であっても、税法上は「大企業」扱いになり、資本金の額が1億円以下の法人に適用される中小企業向け特例措置は適用されないことになります。

まとめ

きむら

税務では「資本金」や「資本金等」の金額を基準に、会社の規模判定等を行います。
資本金の額が1億円を超えると、様々な中小企業向けの特例措置を受けることが出来なくなるので、増資で1億円以上になる場合は、その影響を予め試算することをおすすめします。

※「税法用語の意味がわかるブログ」は、研修出版「月刊経理ウーマン」に連載中の「税法用語の意味がわかる辞典」をリライトして記載しています。

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