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税法用語の意味がわかるブログ(34)「出張手当・日当」

こちらは、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けの記事です。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

不定期連載「税法用語の意味がわかるブログ」第34回目をお送りします。

前回は「通勤手当」についてお話をしました。

税法用語の意味がわかるブログ(33)「通勤手当」とその実務

税理士きむら

今回はちょっと似たもの?である「出張手当・日当」について、税務上、留意したいポイントをお話しします。

出張旅費の精算と出張手当等

業務上必要な出張に行った場合、交通費や宿泊代などの出張旅費は、実際にかかった費用が経費になります。つまり、実費精算が基本です。

ところが出張の際は、交通費や宿泊代以外にも、現地での交通費や通信費などの細々とした出費も想定されます。

こうした細かい諸経費を出張の都度精算する事務負担を考え、事前に出張旅費規定を内規で定め、所定の出張手当や日当(出張手当等)を従業員に支払うことで、経費精算を不要とすることも、認められています。

出張手当等と所得税

この出張手当等は、実費精算に基づくものでなくても、規定により合理的な金額が定められており、当該規定に基づき支給されている場合には、所得税法上非課税となり、出張手当等の支給を受けた役員や従業員には税金が課されません。

注意すべきは、非課税となるのはあくまで支給額が「合理的な金額」である場合に限られるという点です。出張旅費規定さえあれば非課税になるわけではないので、その点、注意しましょう。

合理的な金額かどうかは、役員・使用人の間で支給額のバランスが取れているかどうか、支給額が同業他社と比べて適正な水準かどうかで判断します。

これから規定を作る場合には、統計などの標準データをもとに、手当や日当の額を決める必要があります。

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出張手当等と消費税

次に、出張手当等の消費税の取り扱いはどうなるのでしょうか。

出張手当や日当は実費とみなされますので、課税仕入として取り合つかわれますが、課税仕入となるのは国内出張に係るものです。

海外出張に係る出張手当や日当は、海外での現地費用の実費とみなされますので、消費税は不課税になります。課税仕入れにすることはできません。

出張手当等と社会保険

最後に、社会保険についても触れておきます。

通勤手当は「現物給与」として扱われるので、社会保険料の算定の対象になりましたが、出張手当や日当は、業務上必要な経費の実費弁償という位置づけですので、社会保険料算定の対象外になります。