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税法用語の意味がわかるブログ(32)「福利厚生費」

こちらは、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けの記事です。

税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

不定期連載「税法用語の意味がわかるブログ」第32回目です。

きむら

会社や個人事業主(企業)が、従業員のために負担する経費は、給与のほかにも色々とあります。今回は、その中から社会保険料などの法定費用を除いた、いわゆる「福利厚生費」についてお話しします。

福利厚生費として経費になるための3つの条件

企業が従業員のために提供する、給与や法定費用以外のサービスが「福利厚生費」です。

例えば、慶弔見舞金、勤務中の茶菓軽食、社員旅行の費用などが挙げられます。

福利厚生費は、従業員のモチベーションを高め、企業にとっては経費となりその分納める税金が少なるなるので、節税に繋がります。

しかし、企業が従業員のために支出する費用すべてが、福利厚生費になるわけではありません。福利厚生費とするには、どんな目的の費用であっても次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

役員・従業員のため…役員・従業員すべてに対するものでなくてはなりません。

社会通念上…常識的な範囲の金額に納める必要があり、不相当に高額であってはなりません。


現金ではない
…例えば、食事代の代わりとして現金を直接支給した場合は、福利厚生費ではなく給与になります。

この3つの条件を踏まえた上で、企業や従業員に無駄に課税されない福利厚生を採用するようにしましょう。

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福利厚生費ではなく給与と認定されたら

もしも3つの条件を満たさず、税務調査で福利厚生費として認められなかった場合は、他の費用(給与等)として取り扱う必要がでてきます。

その経費が福利厚生費にならず、給与と認定されると、通常の給与と同様に従業員から源泉所得税を徴収し、納付をする義務が企業側に生じます。

つまり、給与として処理をしなくてはならないところ、福利厚生費としてしまうと、源泉所得税の納付漏れのリスクがあるので注意が必要です。

給与扱いにならず福利厚生費になる例

というわけで、企業としては、従業員のために支払う経費については、できるだけ源泉徴収不要の福利厚生費扱いとしたいところです。

従業員にとっても、そのほうが課税されないので好都合です。

原則的には、給与(金銭の支払い)でなくても、従業員が会社から何らかの利益を得たなら、それは給与になります。従業員としての地位に基づいて受けた利益は、「給与をもらっているのと同じ」という考えです。

一方で、様々な理由から非課税(=福利厚生費)扱いになるものもあります。どういった支出だと非課税となるか、例を見てみましょう。

非課税となる現物給与の例
  • 給与所得者の職務の性質上又は使用者の業務の遂行上費用とされるもの
    例)制服・事務服・作業服、職務上必要な技術の習得費、通勤手当
  • 個人に対する利益の帰属又はその程度が不明確なもの
    例)自社サービスの無償・低価での利用
  • 少額不追及の趣旨で課税除外となるもの
    例)永年勤続・創業記念の記念品、自社商製品の値引き販売、レクリエーション費用、慶弔見舞金
  • 政策措置として非課税とされているもの
    勤労者の持家促進のための助成措置で一定のものなど
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採用しやすい福利厚生と主な注意点

最後に、企業が採用しやすい福利厚生の例と、非課税になる要件についてまとめてみました。

項目 非課税とするには
社員旅行 ① 一人あたりの費用が10 万円未満 ②旅行期間が4 泊5 日以内 ③社員50%以上が旅行に参加 等
※豪華な旅行とみなされると交際費に該当するので注意が必要です。
健康診断 ①全員が対象 ②診断内容が健康管理上必要であり常識的な範囲 ③費用が会社から直接診断機関に支払われていること 等
※一定の役職以上に行う人間ドックは、給与として課税対象となります。
昼食代 ①現金で渡さず現物で支給 ②食事代の会社負担分は月3,500円/人 ③個人が食事代の50%以上を負担 等
残業食事代 原則として全額福利厚生費(金額の制限や負担割合の縛りナシ)
※ただし、現金で渡さず現物で支給すること。
レジャー施設 ①分け隔てなく全員が利用可 ②取引先の接待に使わない(交際費になってしまう)等
※入会金は資産計上し減価償却、年会費は福利厚生費
出張日当 ①常識的な範囲の水準 ②全役員・従業員を通じて適正なバランス ③出張旅費規程が作成されていること 等

まとめ

きむら

従業員のための支出をする場合、用途によって要件を確認しないと、企業や従業員に課税がされることになります。
福利厚生費として経費計上したい場合には、あらかじめ要件を確認するようにしましょう。

※「税法用語の意味がわかるブログ」は、研修出版「月刊経理ウーマン」に連載中の「税法用語の意味がわかる辞典」をリライトして記載しています。

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