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税法用語の意味が分かるブログ(27)「中小企業」の定義

こちらは、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けの記事です。

税理士のきむら あきらこ(@kimutax)です。

不定期連載「税法用語の意味がわかるブログ」第27回目です。

きむら

税務や経理の現場で、しばしば聞く言葉「中小企業」。そして、「中小企業」に適用される税制や優遇が多々あることにも気づかれるかと思います。ところでこの「中小企業」、法律や制度によって、定義や範囲が異なることをご存知ですか?

「中小企業」の定義が、各法律や制度間でどのように違うのか。早速、見ていきましょう!

中小企業基本法の「中小企業者」

中小企業基本法に定める「中小企業者」の定義は図表のとおりとなっています。

業種 中小企業者
(下記のいずれかの要件を満たすこと)
小規模企業者
資本金の額又は
出資の総額
常時使用する
従業員の数
常時使用する
従業員の数
①製造業、建設業、運輸業、その他の業種(②~④を除く) 3億円以下 300人以下 20人以下
②卸売業 1億円以下 100人以下 5人以下
③サービス業 5,000万円以下 100人以下 5人以下
④小売業 5,000万円以下 50人以下 5人以下

業種ごとに定義が異なることと、判断基準が2つ(資本金の額と従業員の数)があることが特徴です。

中小企業基本法に定める「中小企業者」に該当すると、中小企業庁が窓口となっている経営・金融・財務等に関する様々な中小企業施策を受けることができます。

参考 トップページ中小企業庁

ただし、この中小企業者の定義は、基本的な施策対象の範囲を定めたあくまで原則に過ぎません。

各法律や支援制度においては、別の細かい要件を定めている場合があるので、施策を受けようとする場合には、必ず各窓口等で確認をするようにしましょう。

また、「中小企業者」とは別に、中小企業基本法では「小規模企業者」についても定義されており、小規模企業者向けの施策も別途用意されています。

法人税法の「中小法人等」

法人税法では、「中小法人等」とは次の1. ~3. に掲げる法人のことをいいます。

  1. 普通法人のうち、資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下。ただし、資本金の額等が5億円以上である法人等による完全支配関係があるものは除かれます。
  2. 公益法人等または協同組合等
  3. 人格のない社団等

税法上の「中小法人等」については、軽減税率が適用されたり、繰越欠損金の8割制限が課せられなかったり、法人税法上有利な取り扱いが適用されます。

税法用語の意味がわかるブログ(8)「青色申告」 税法用語の意味がわかるブログ(10)「実効税率」

租税特別措置法の「中小企業者」

租税特別措置法上の「中小企業者」も、法人税法の「中小法人等」と同じく、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人を言います。

ただし、

  • 同一の資本金等の額が1億円を超える法人等(大規模法人)に発行済株式等の2分の1以上を直接所有されている法人
  • 2以上の大規模法人に発行済株式等の3分の2以上を直接所有されている法人
  • 資本等を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人超の法人

は除かれます。

この部分が法人税法と違うところです。

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まとめ

きむら

このように、ひと口に「中小企業」といっても、所管や適用される法律によってその範囲が異なるんです。

例えば、自社の資本金が1億円以下であって、資本金2億円の法人に支配されている場合、租税特別措置法の「中小企業者」には該当しませんが、法人税法上の「中小法人等」には該当することになります。

「我が社は、法人税では中小法人等だから、租税特別措置法の中小企業者向けの優遇措置も受けられるに違いない」

などと思いこまず、定義を都度確認するようにしましょう。

※「税法用語の意味がわかるブログ」は、研修出版「月刊経理ウーマン」に連載中の「税法用語の意味がわかる辞典」をリライトして記載しています。

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