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税法用語の意味がわかるブログ(1)「課税標準」

こちらの記事は、税法用語に詳しくなりたい、経営者や経理担当者向けです。

小さな相続専門税理士のきむら あきらこ(@k_tax)です。

今日から不定期で「税法用語の意味がわかるブログ」をアップします。

税理士きむら

私が税務会計業界に入った当初の記憶を思い起こしながら、「え!こんな意味なんだ」と違和感を感じた税法用語の中から、これを覚えておくと税法の知識が深まるというものをピックアップして、解説していきます。

税金は3種類に分けて理解

さて、いきなりですが、質問です。みなさん、日本に税金っていくつあると思いますか?

答えはなんと47個です!(適用停止中のものを除く)

このうち実務でよく遭遇するものはせいぜい10個くらいなのですが、それでも税理士事務所の新人時代、目にする税金の種類の多さにびっくりしたものです。

そこで私は、自分なりに、税金の種類を3つにわけて理解するようにしました。

① もうけ(利益)に対して課されるもの 所得税、法人税、住民税、事業税 など
② 取得・所有に対して課されるもの 不動産取得税、自動車重量税、固定資産税 など
③ その他 消費税、印紙税 など

「その他」というのは、①や②に当てはまらないものです。例えば、消費税は物品やサービスの消費に対して課せられる税金ですし、印紙税は契約書などの商取引上重要な文書に課される税金です。

経理や経営初心者の方は、実務でよくでる税金は「①か②か、それとも③か」という視点で理解すると、その内容を覚えやすいですよ。

すべての税金に出てくる用語「課税標準」

さてここからが本題です。この①②③の税金、すべてに出てくる税法用語があります。それが「課税標準」です。

「課税ひょうじゅん?えーと、標準って、目安とか、そういう意味…でしょう?」

と一般の言葉の感覚で考えると、意味がぴんとこないですよね。

でも、この言葉って、税務署や専門家の口から「今年度の課税標準はいくらいくらで…」などと、しばしば出てくる言葉です。

「課税標準」とはどのような意味なのでしょうか?

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「課税標準」の意味

「課税標準」とは、税金を計算する際に、税率をかける基礎となる課税の対象のこと。

つまり税金は

課税標準 × 税率

で税額を計算するようになっています。

例えば、上の表の①のグループの税金は、課税標準が「もうけ」になります。②のグループの税金は、課税標準は「その資産の価格や価値」だったりします。

つまり税法とは、「課税標準は何か」ということを細かく決めている法律だと言っても、過言ではないのです。

申告の手引きなど、税に関する本などの中に「課税標準」という言葉が出てきたら「税率をかけるベースのこと」とアタマの中で置き換えると理解がすすみます。

まとめ

税理士きむら

「課税標準」は、すべての税金に共通する税法用語。「税率をかけるベース」のこおtです。私も税法の専門家でない人には、「課税標準」とは言わずに、「課税ベース」などと伝えるよう心がけています。

※「税法用語の意味がわかるブログ」は、研修出版「月刊経理ウーマン」に連載中の「税法用語の意味がわかる辞典」をリライトして掲載しています。